
娘が恐竜好きだからナイトランプを作ろう——そう思い立った父親が、3Dプリンター、木工、電子工作、プログラミングを総動員して完成させたのが、このステゴサウルス型ナイトランプだ。「おもちゃではなく、部屋に置いても様になる家具レベルの仕上がりにしたかった」と語る制作者は、YouTube上でITCraftsmanLabsとして活動しており、ソースコードもGitHubでMITライセンスのもと公開している。
恐竜の形状はPrintablesで見つけた3Dプリントモデルがベースだが、そのままでは積層痕が目立ち光沢のある表面が安っぽく見えた。そこで120番のサンドペーパーで研磨した後、ウッドフィラーで積層痕を埋め、さらに研磨してマットブラックに塗装した。光を通す部分は3Dプリント製からフロストプレキシガラスに置き換え、バンドソーで切り出している。ベースにはブラックウォールナットの端材を使い、ルーターで電子部品を収める凹みを加工した後、3段階のサンドペーパーで研磨してオイルを塗布した。
頭脳はESP32-S3で、WS2812B LEDストリップを駆動する。操作系にはロータリーエンコーダーを4個とプッシュボタン2個を搭載した。右のボタンでON/OFF、左でモード切替(レインボーまたは単色)、4個のエンコーダーで明るさとRGB各色を個別に調整する。娘がダイヤルを回すだけで好きな色を作れるため、色の三原色の勉強にもなる——というのが、父親なりの「ここまで作り込んだ理由」だ。
技術面で苦労したのはロータリーエンコーダーのチャタリングだった。エンコーダーを1ノッチ回すと内部の接点が物理的に跳ね返り、100マイクロ秒程度のバウンスが発生する。ESP32はこの微細な振動まで検出してしまうため、1回の操作で方向が不安定になった。制作者はオシロスコープで波形を確認し、追加部品が不要なソフトウェアデバウンスを選択。割り込み後の一定時間内に来る信号を無視する方式で解決した。
仕上げにESP32-S3のWi-Fi機能を生かし、Home Assistantとの連携も追加した。MQTTブローカー経由で状態を送受信し、夜になったら自動点灯、朝になったら自動消灯するスケジュール制御が可能だ。設定は停電後も保持される。
娘はダイヤルを回して色を変えるのが大のお気に入りだという。制作者は「娘が誇らしげに遊んでいる姿が、自分にとって一番のご褒美」と話している

