個人が3日で作った40km検知の携帯型雷検出器「Flash Bee」

FabScene(ファブシーン)  Handheld yellow lightning detector with a round display showing 10 km, 42 strikes, and energy metrics in view.

屋外で急な雷雨に遭うのは、命に関わる問題になりうる。既存の天気アプリはネットワーク経由の予報に依存しているため、その場に落ちる雷を即時に把握するには向かない。

そこでメイカーのGokul KB氏(ハンドル名「gokux」)が製作したのが、携帯型の雷検出デバイス「Flash Bee」だ。3Dプリント製のケースに丸型ディスプレイを組み込み、落雷までの距離、落雷回数、強度、直近の履歴を表示する。検出範囲は最大40kmで、1km単位の精度で距離を推定する。400mAhのリチウムポリマー電池を内蔵し、USB-C充電で6〜7時間の連続動作が可能だ。

動作の中核は雷検出IC「AS3935」で、雷が放つ約500kHz帯の電磁波を内蔵のアンテナコイルで捉える。電磁波は光速で届くため、雷鳴が聞こえる前に検出できる。雲対地放電と雲間放電の両方に対応し、信号強度から放電の強さも推定する。

ハードウェアはSeeed Studio製の「XIAO ESP32-C3」をコントローラーに、同社の「Grove Lightning Sensor AS3935」と「Round Display for XIAO」を組み合わせた構成だ。I2Cでセンサーと通信し、ディスプレイ描画にはTFT_eSPIライブラリを使う。ノイズフロアの自動調整ロジックを組み込んであり、屋内・屋外でAFEのゲイン切り替えも可能となっている。

Gokul KB氏はデザインやエンジニアリングの学歴は持たないが、CADは約10年扱ってきたという。設計から完成までは3日ほどで、コード自体はAIの支援を受けつつ、UIの見栄えに最も時間を割いたと本人がコメントしている。STL、ファームウェア、配線図、ビルド手順はすべてInstructablesで公開されている。

なお単一のセンサーでは方向の検出はできない。ディスプレイ上のレーダー風の緑の線は視覚的な演出で、方位情報は持たない。複数の機体を離して設置し到達時間を比較すれば三角測量で位置特定も可能だが、それは別のプロジェクトになる。

関連情報

Handheld yellow lightning detector with a round display showing 10 km, 42 strikes, and energy metrics in view.

fabsceneの更新情報はXで配信中です

この記事の感想・意見をSNSで共有しよう
  • URLをコピーしました!
目次