
米国在住のDroneAwareDan氏(ハンドルネーム)は、Raspberry PiでドローンのRemote ID信号を傍受し、地図上に可視化するDIYキット「DroneAware」を公開した。Remote IDは、米連邦航空局(FAA)が2023年に250g以上のドローンに義務化した、自機の位置・高度・速度を公衆向けにブロードキャストする信号だ。
仕組みは、Wi-Fi(2.4GHz)とBluetooth Low Energy(BLE)でブロードキャストされるRemote ID信号を、モニターモード対応USB Wi-FiアダプターとUSB Bluetoothドングルで傍受し、Pi上で復号してUDPブロードキャスト(255.255.255.255:9999)でローカル出力する。希望すれば外部サーバー「droneaware.io」に転送して地図表示も可能だ。コードはGitHub「fduflyer/DroneAware-Node-Releases」で公開され、Pi 4以上で動作、ハードが揃えば10〜15分で稼働する。
ハードウェア構成は2系統だ。シンプル版はRaspberry Pi 4または5、32GB以上のmicroSD、モニターモード対応USB Wi-Fiアダプター(Atheros AR9271系、Alfa AWUS036NなどMediaTek系が推奨)、任意でUSB Bluetoothドングル。検出範囲は数百m。延長版では5〜7dBiのファイバーグラス無指向性アンテナを磁気ベースとLMR-200同軸で接続し、検出範囲が大幅に伸びる。DroneAwareDan氏は車のルーフにこの構成を載せ、高度約183mを飛ぶ約8km先のドローンを実際に捕捉した。
技術的にはオープン規格「ASTM F3411」に従ったRemote IDの傍受で、信号は暗号化されておらず誰でも受信できる。DroneAwareDan氏の動機は監視ではなく可視性と教育で、本人は投稿で「これは『ドローンを止めるもの』ではなく、すでにそこにあるものを理解するためのものだ」と説明する。自宅上空の配送ドローン飛行ログを自治体に提示する用途や、ADS-Bと同じ感覚で空を眺める個人プロジェクトとしての価値を挙げた。軍事用や非協調型のドローンは対象外で、あくまで「ルールに従って自分の位置をビーコン送信しているドローン」を可視化する仕組みだ。

