
ESP32などのマイコンを使った自作スマートホーム機器の定番ソフトウェア「ESPHome」が、メジャー更新「2026.5.0」を公開した。ESPHomeは、設定ファイルに数行のYAMLを書くだけで温湿度センサーやスマート照明、ディスプレイを動かし、家庭向け自動化ソフト「Home Assistant」に組み込めるオープンソースのフレームワークだ。今回はWebの編集ツール刷新と省電力化が大きな目玉となる。
最大の変更は、新しい設定用Webアプリ「ESPHome Device Builder」のβ版だ。長年使われてきた従来のダッシュボードを置き換える形で公開された。コンポーネントやオートメーションを視覚的に編集する仕組み、コンパイルや書き込みのジョブをキューで管理する機能、複数デバイスの一括操作、ラベルやエリアでの分類、設定の差分検出といった、多数のデバイスを抱えるユーザーが長く望んでいた機能が一気に入った。Open Home Foundationが主導している。
内部の仕組みも大幅に書き直した。各部品の処理ループが設定どおりの間隔で回るよう動作を整理し、ループ間隔を長く設定すれば本当に省電力になるようになった。OpenThreadを使った試作では、平均消費電流が2.0mAから1.1mAに下がったという。さらに、装置のフリーズを防ぐためにウォッチドッグへ送る信号の頻度も見直した。ESP-IDFを使うようになって以来不適切だった3msの間隔を、ESP32では1000msなどプラットフォーム別に最適化し、信号送信のCPU負荷をほぼ半減した。
ほかにも、ファームウェアの更新機能(OTA)でパーティションテーブルやブートローダーまで書き換えられるようになり、書き込みに失敗した端末の復旧にも対応した。複数の部屋で同期再生するマルチルームオーディオの新コンポーネント「Sendspin」、ESP32-H2やESP32-C6でのZigbee対応、ESP-IDFツールチェーンへのネイティブ対応など、新機能と土台の整備が同時に進んだ。電池駆動の小さなセンサーから多数のデバイスを束ねる運用まで、自作スマートホームの幅を広げる更新だ。

