中判レンズでinstax WIDEを撮るカメラを自作、LiDARでピントを補助

FabSceneの読者投稿フォームに、富士フイルムのインスタントフィルム「instax WIDE」で撮影する自作カメラが寄せられた。「CAMERA N/A」の名義で活動する作者が設計・製作した「CAMERA N/A W01」は、中判カメラ「Mamiya Press」用のレンズを付け替えて使える。撮影はフィルムと機械式シャッターによるアナログのまま、LiDARで測った被写体までの距離を光学ファインダーの中に表示して、手動のピント合わせを助ける。

作ろうと思ったきっかけは、市販のカメラに求める条件がそろわなかったことだ。作者は「ガラス製レンズを使用し、マニュアル操作とレンズ交換ができるという3つの条件を満たしたinstax WIDEカメラを探しましたが、私が探した範囲では市場に見当たらなかったため、自作することにしました」と説明する。2026年初めに製作を始め、同年7月ごろに撮影できる試作機が完成した。

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ファインダーの中に距離とピント位置を重ねる

W01は、Mamiya Press用のレンズと、Lomographyのインスタントフィルム用の背面「LomoGraflok 4×5 Instant Back」を組み合わせる。主に使うレンズはMAMIYA-SEKOR 100mm F3.5で、シャッターはレンズに内蔵された機械式のものを使う。本体の外装はAutodesk Fusionで設計し、Crealityの3Dプリンター「K1 Max」でPC-PETG系の樹脂から印刷した。

インスタントフィルムでは、撮る直前にピントを厳密に確かめるのが難しい。そこで作者は、LiDARで測った被写体までの距離と、今レンズのピントが合っている距離を見比べられるようにした。ピントの位置は、ピントを動かすねじ状の機構(ヘリコイド)の動きを位置センサーで読み取って求める。ファインダーの中では、光学像にハーフミラーでWaveshare製の液晶を重ね、被写体までの距離、ピントの位置、ピントが合って見える奥行きの範囲、露出、水平、写る範囲の枠を表示する。作者は「撮影像そのものはアナログですが、撮影時の判断をデジタル技術で補助する構成です」と話す。

校正と遮光に手間

苦労したのは、センサーの値を正しい距離に直す作業だった。ヘリコイドの動きとピントが合う距離は比例しないため、複数の距離で実際にピントが合う位置を測り、その間を補って換算している。LiDARが距離を測る位置とフィルム面のずれも、ソフトウェアで補正した。3Dプリントの外装は何度も印刷し直し、実際に撮影して光漏れを調べ、レンズと背面を付けたときのたわみを確かめた。

LiDARの精度は6m未満で約±3cmで、100mmのレンズでは1mから無限遠まで安定して表示できる。950mAhのリチウムイオン電池で3〜4時間動く。レンズと背面を付けた大きさは約190×165×90mm、重さは約950gだ。

設計データやプログラムを公開する予定はないという。作者は、Mamiya Pressのレンズと背面をすでに持っている人に向けて、W01のボディキットを少量販売する試みを始めている。

※文中の画像提供:CAMERA N/A

※この記事は読者投稿フォームからの応募に基づいて作成しました。
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