
金属の3Dプリントは一般に、レーザーで金属粉末を焼結する方式が主流だが、粉末は高価で取り扱いにも注意が要る。米ロチェスター工科大学(RIT)のAMPrint Centerが、安価なワイヤーやインゴットを溶かして液滴を噴射する「溶融金属ジェッティング(MMJ)」方式で、複数のノズルを並べたプリントヘッドを開発した。Additive Manufacturing Letters誌に論文が掲載された。
論文で示されたプリントヘッドは、共通のリザーバーと3つの圧電アクチュエーターピストンを備える。各ノズルの駆動波形を独立に制御でき、インクジェットプリンターが紙にインクを打つのと同じ要領で、溶けた金属の液滴を1滴ずつ狙った場所に配置する。ヘッドの向き(ヨー角)を変えることでノズル間隔より狭いピッチでも造形でき、単層と複数層の試作で動作を確認した。

さらに、2026年4月のImagine RITイベントでは、世界初とされる8ノズル構成のMMJプリンターのデモも公開している。NSF(米国立科学財団)から約300万ドル(約4億9000万円)の助成を受け、原料を溶融する工程と噴射する工程を分離する設計も進めている。この構造により、球形粉末だけでなく、工場の切削くずやリサイクル金属も原料にできる。

