車が影のように見えるーー光の99.9%を吸収する塗料を開発

可視光の平均99.90%を吸収する超黒色の自動車用塗料を、Nipsea Group(日本ペイントグループ、上海R&Dセンター)のZhiwei Liu氏らが開発した。成果はCell Press系の学術誌Matter & Lightに2026年6月18日付で掲載された。

一般的な黒色塗料はカーボンブラック顔料を分散させて光を吸収するが、吸収率には限界がある。研究チームはカーボンブラックにカーボンナノチューブ(CNT)を加え、水性塗料として配合した。π-π相互作用によりカーボンブラック粒子がCNTに沿って均一に並び、微細な凹凸構造を形成する。光がこの凹凸に入ると内部で繰り返し散乱して吸収される「構造吸収」が起き、従来のカーボンブラック単独では到達できない吸収率を達成した。

英Surrey NanoSystemsの「Vantablack」(垂直配向CNTアレイ、吸収率99.965%)や米MITの記録(99.995%)と比べると吸収率では及ばないが、Vantablackが真空蒸着を要するのに対し、このCB-CNT塗料は通常のスプレー塗装装置で車体の曲面にも塗布できる。40℃の水浴10日間、湿度95%環境14日間の耐久試験でも塗膜の劣化は確認されなかった。

ジェットネス値Mcは328.7、ブラックネス値Myは315.0で、水性塗料として最高水準だ。ただし、傷や紫外線、腐食への耐性はまだ検証されておらず、量産車への適用にはさらなる試験が必要だとLiu氏は述べている。

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Glossy black automotive coating sample labeled 'Ultra-black automotive coating' with CB-CNT microstructure and notes on high light absorption and robust film properties.

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