60℃で退避し振動でほこりを落とすソーラーパネル、Arduinoで自動追尾

ソーラーパネルは置いただけでは働きが鈍る。太陽は空を移動するので向きが合わなくなり、表面にはほこりが積もる。屋外に置く以上、猛暑や砂嵐、雪にもさらされる。Julián Caro Linares氏は、この3つをまとめて自動で片付ける小型のソーラーパネルを作り、設計データとコードを公開した。Arduinoの「UNO Q」を中心に、同社のモジュール群で組んである。

太陽を追う仕組みはこうだ。2個のMG90サーボがパネルを上下左右に振り、空をなめるように動かしながら、そのつどパネルの発電電圧を記録する。集めた値はデータベースにためて、空のどこが最も発電できるかの地図を作る。以後はその地図を見ながら向きを合わせる。日射計を別に置くのではなく、パネル自身の出力を頼りにするのが軸になる。

センサーは役割ごとに分けた。Modulino Lightは目に見える光に加えて赤外線も測り、太陽の位置を探す手がかりを増やす。Modulino Thermoはパネルの温度と湿度を見て、60℃を超えるような危険な温度になれば保護の姿勢に移す。Modulino Movementは異常な揺れを検知し、何かが起きたと判断すれば全体を止める。

清掃にブラシも圧縮空気も使わない。Modulino Vibroでパネルごと振動させ、ほこりや砂、雪を落とす。同氏はNASAの火星探査機が使う振動での清掃から発想を得たと書いている。

天気への備えはLinux側が担う。UNO QはマイコンとLinuxが動くプロセッサーを1枚に載せた構成で、マイコンがセンサーの読み取りとサーボの駆動を受け持ち、Linux側が天気予報の取得やダッシュボードの表示を引き受ける。雪や砂嵐の予報が出ると、Linux側がマイコンに指示を出し、パネルをできるだけ垂直に立てて表面を守る。夜や濃い霧で発電がほとんどなくなると、電圧の低さを見て水平のホームポジションに戻す。

状態は同じネットワーク内のブラウザーから見える。パネルの現在の向き、電圧の測定値から作った空の熱地図、設置場所の天気予報、パネルの温度と湿度、発電量と赤外線の推移がひと目で並ぶ。

パネルの架台はFreeCADで設計し、3Dプリンターで作る。サポートは要らず、インフィル15〜20%、積層0.2mmで造形できる。材料はPLAでよいが、長時間日射にさらすなら溶けるおそれがあるためPETGを勧めている。土台の設計は、The Small Wonder氏が公開したMG90S用の雲台をもとに、一部を作り直して使った。

ライセンスはCC BY-SAで、3Dデータ、FreeCADのソースファイル、コードをGitHubに置いている。なおこのプロジェクトは、同氏がArduino社向けに制作したものだ。

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