
米Texas A&M大学電気・コンピューター工学科のSeyed Ali Ghazi Asgar氏とNarasimha Reddy氏が、悪意あるファームウェアによる攻撃から3Dプリンターを守る監視装置「Firewall3D」を開発した。プリンター本体のマザーボードやファームウェアには一切手を加えず、外付けで異常を検知して印刷を止める設計だ。研究成果はプレプリントサーバーarXivで2026年7月11日に公開された。
3Dプリンターの市場規模は300億ドルを超えるまでに拡大しており、サプライチェーンの侵害や悪意あるファームウェア更新、内部関係者による改ざんなどを通じて、印刷物を壊されたり、設計データを盗まれたり、プリンター自体を物理的に損傷させられたりするリスクが増えているという。Firewall3Dは、STMicroelectronics製マイコン「STM32F103C8K6」を搭載した独立した装置で、USBでホストPCに接続する。ステッピングモーターの電流、エンドストップスイッチの状態、ノズルとヒートベッドの温度、冷却ファンの回転といった物理的な信号を常時監視し、その挙動が本来実行されているはずのG-code(加工命令)と一致しているかを照合する。
検証実験では、モーター制御を操作する攻撃、温度設定を狙った攻撃、エンドストップの信号を偽装する攻撃という3種類の代表的な手口いずれについても、Firewall3Dが検知に成功した。位置のずれをサブミリメートル単位で捉えられる精度があり、異常を検知すると警報を発して印刷を即座に停止し、部品の破損や設計データの流出を防げるとしている。

