ラズパイでMiniDVを取り込む「Firehat」が約1万3000円でクラファン

ドイツのComputer Equipment Groupは2026年8月24日、Raspberry Pi 5などのシングルボードコンピューターにFireWire端子を足す拡張基板「Firehat」の出資募集をCrowd Supplyで始めた。価格は79ドル(約1万3000円)で、募集は10月8日まで続く。MiniDVやHDVのカムコーダーから、映像を圧縮し直さずにSBCのストレージへ取り込める。

DVテープの映像を今のパソコンに取り込む手段は年々狭まっている。FireWire端子を残したノートPCは中古市場に頼るしかなく、専用のキャプチャー機器はどれも生産を終えた。市販のUSBキャプチャードングルは多くがアナログ信号を変換する仕組みで、カメラが撮影時に圧縮したDVのデータを、いったんアナログに落として取り込み直すことになる。Firehatが狙うのは、この変換や再圧縮を挟まずに、デジタルのまま吸い出す経路を今の機材で作ることだ。

基板にはVIAのVT6315N IEEE 1394コントローラーと6ピンのFireWireポートを載せ、SBCとはFPCコネクターを介したPCIe 2.0 x1でつながる。Linuxからは通常のPCIe FireWireコントローラーとして見えるため、dvgrabやdvcontといった既存のツールがそのまま使える。40ピンのGPIOヘッダーはRaspberry Piと同じ配置で、1.3型の単色OLED、タクトスイッチ3個、RGB LED 3個、ブザーを備える。画面とボタンだけで録画を操作できるので、キーボードやモニターをつながない取り込み専用機に仕立てられる。基板の大きさは56×70×12mm、重さは約25gに収まる。

もともとはRadxa ROCK 2Fで組む携帯型DVレコーダー「Equip-1」のために設計した基板で、単体でも売ることにしたという経緯がある。対応するのはROCK 2FとRaspberry Pi 5のほか、PCIeをFPCやアダプターで引き出せるSBCに広がる。MiniDV、DVCAM、DVCPRO、Digital8、HDVの取り込みに対応し、カメラやデッキ側の再生・停止を制御する機能も持つ。ただし制御の可否は機種によって変わると同社は明記している。

回路図とPCBのデータはCERN OHL-S、ソフトウェアはGPLでGitHubに公開済みで、派生物も同じライセンスで公開することを求める。製造はJLCPCBが担い、初回は100台を見込む。出資者への発送は2027年2月3日を予定する。同社はリスクとして、VT6315Nの調達、カメラとの組み合わせによる動作の差、そして欧州と英国への出荷に必要なCEとUKCAの認証が取得作業中である点を挙げている。円換算は2026年8月25日のレートによる。

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