
米中西部の田舎町で廃業したボウリング場を買い取ったサイト信頼性エンジニア(SRE)が、業者から提示された1200万〜2000万円規模の採点システム更新の見積もりを断り、ESP32マイコンを使って総額1600ドル(約26万円)で自作のシステムに置き換えた。Hacker Newsに投稿した本人の説明によると、施設そのものの取得費用が105000ドル(約1711万円)だったのに対し、採点システムの全面交換には8万〜12万ドル(約1300万〜1956万円)、交換部品だけでもレーン2本あたり4000ドル(約65万円)かかる見積もりだったという。
採点システムが更新されたのは2008年で、球速や軌道の計算、カメラによるピン検知、ファウル判定、演出用アニメーション、ピンセッターやボールリターンの制御までをこなす。一方、ボウリングのピンセット機構自体は70年前から変わらぬ機械式で、その”先進的な”システムが実際にしている仕事は、ピンセッターを起動させるリレーを1つ動かすことだけだったという。
自作したシステムは、レーン2本あたり200〜400ドル(約3万3000〜6万5000円)で構築した。各レーンにはリレーやフォトカプラー、赤外線の遮断センサーを組み合わせた汎用のESP32ノードを配置し、ESP-NOWによるスター型のメッシュ通信でセンサー情報を集約する。無線環境が混み合う場合に備え、有線のRS485もフォールバックとして用意した。集めたデータはUART接続のゲートウェイ経由でRaspberry Piに送り、Redisと状態管理の仕組みで処理する。そこから先はReactとWebSocketを使った一般的な構成のため、Web開発者であれば誰でも独自の採点画面や演出アニメーションを作れるとしている。
このプロジェクトは「OpenLaneLink」と名付けられ、ハードウェア・ファームウェア・ソフトウェア一式を今後オープンソース化する計画だという。修理は5分程度、レーン2本分の機材の入れ替えも10分もかからず、同じ規模の施設なら1〜2時間でゼロから稼働できると見積もっている。今後はDMX制御によるライトショーや、タッチ決済で即座にプレーを始められるキオスク型の仕組みも追加する予定だとしている。

