空気が悪すぎて2時間で頭痛、犯人は3Dプリンターでなく自分だった

3Dプリンターを何台も置いた部屋の空気は、どれくらい汚れているのか。MakerのMichael Klements氏が、自宅の工房を2時間ずつ測り、その結果をもとに自動で動く換気装置を作った。意外にも、空気を最も悪くしていたのはプリンターではなかった。

工房は約3×4.5mで、容積はおよそ32立方メートルしかない。ホコリの侵入を防ぐためと撮影のため、ドアと窓は閉めきっている。Klements氏は、メーカーから提供された空気質モニター「Air Lab」で、二酸化炭素や揮発性有機化合物(VOC)、窒素酸化物、温湿度を連続で記録した。

まず誰もいない夕方に測ると、二酸化炭素の平均は500ppm強で安定していた。次に3台のプリンターに2時間ずつの造形をさせた。同氏はPLAとPETGしか使わないとはいえ、VOCが少しは増えると踏んでいた。ところが結果はほぼ変わらなかった。窒素酸化物も動かない。プリンターは窒素酸化物を出さないためだ。

数値が動いたのは3日目、同氏自身が2時間座って作業した回だった。二酸化炭素は上がり続け、2000ppm近くに達した。屋外は400〜500ppm前後で、室内は1000ppm未満が望ましいとされる。同氏は、1500ppmを超えると疲れや眠気が出はじめ、2000ppmを超えると頭痛や強い眠気につながると説明する。編集作業のあと母屋に戻るとだるかった理由が、グラフで腑に落ちたという。

対策として窓を開ければ、ホコリと騒音と雨が入る。そこで同氏は、窓のレールに差し込む換気装置をFusionで設計した。外側に雨よけのフードを付け、その奥に取り外せるフィルターを挟む。フィルター材はエアコン用の安価なものを切って使った。その後ろに140mmのPWMファンを5個並べ、外の空気を濾して室内へ送る。筐体はPETGで造形し、プリンターの造形範囲に合わせて分割したうえで、真鍮のインサートとM3のボタンヘッドねじで組み上げた。

ファンを常時全開で回す必要はない。Air LabにはGPIOがあり、PWM出力として使える。同氏はこの機能を使い、装置上で動くプラグインを自作した。二酸化炭素が上がると4段階で風量を上げ、VOCや窒素酸化物、温度が上がったときも同様に回す。

つまずきもあった。PWMの周波数を25kHzに設定すると、ファンは全開のまま止まらない。オシロスコープで当たると、何も出力されていなかった。Air Labに載るESP32が出せる範囲を超えていたためとみて、10kHzまで下げると動いた。

同じ2時間の作業を再現すると、二酸化炭素は上がり続けずに落ち着いた。人がいなければファンは止まる。同氏は、ファンの筐体データとプラグインを自身のブログで公開するとしている。

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