HPのプリンターから外した液晶で天気時計を自作、本体の基板は不要

HPの複合機「Photosmart TouchSmart」の操作パネルから小さな液晶を取り出し、プリンター本体なしでマイコンボード「ESP32」から直接映像を送って、天気時計に作り替えた記録がGitHubで公開された。作ったのは4TuNAs氏で、配線の調べ方とコード、3Dプリント用の台のデータをMITライセンスで公開している。

取り出した液晶は本来、プリンター本体の基板が作る映像信号で動いている。同氏は本体とつながっていたコネクターを外し、むき出しになった端子と液晶の間の導通を1本ずつ確かめた。その結果、色のデータを運ぶ8本の線と、クロックや同期信号の線は、パネル上のマイコンを通らずに液晶へ直接つながっていた。本体が送っていた映像を、ESP32が代わりに送れることになる。液晶はAU Optronics製で、同氏は近い型番の資料から信号の形式を割り出した。

同氏は最初、ESP32の端子をソフトウェアで1本ずつ切り替えて信号を作り、試験画像を映した。しかしWi-Fiを動かすと処理が割り込んで信号が途切れ、画面が白く光った。そこで同氏は、本来は音声用のI2Sという周辺回路に信号づくりを任せた。I2SのLCDモードとDMA(CPUを介さずにメモリーからデータを送る仕組み)を使えば、CPUは送る前の行を用意するだけで済むと同氏は説明している。

使い続けるうちに、別の問題も出た。電源を入れると、画像が横に約2.7倍に引き伸ばされ、色が崩れることがあった。液晶の入力形式が勝手に切り替わっていたためで、切り替えていたのはパネル上に残ったCypress製のマイコンだった。同氏はこのマイコンの2本の足を基板から浮かせて液晶との接続を断ち、液晶を初期設定のまま動かして解決した。

完成した時計は、時刻と日付に加え、天気予報サービスOpen-Meteoから取った気温や風を表示する。時計は10分ごとにWi-Fiへつないで天気を取り、終わると無線を完全に切る。空の色は日の出と日の入りに合わせて変わり、晴れた夜には星が出る。ESP32のメモリーには余裕がないため、同氏は空と山の絵を保存せず、1行ずつ送る直前に計算して描く方法を採った。

同氏が使ったのは、外付けのメモリー(PSRAM)を持たないESP32の開発ボードだ。READMEには、液晶の端子とESP32の接続表と、元のパネルの枠ごと立てる台のデータが載っている。

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