
人感センサーで照明を自動化すると、じっと座っているだけで消える。ミリ波レーダー式の在室センサーに乗り換えても、設定はメーカーのアプリからしか触れず、サーバーの機嫌しだいで反応が遅れる。David2766氏は、設定画面ごとESP32の中に入れた在室センサー「NAMO」を作り、設計データ一式を公開した。
きっかけは自宅で数年使ってきたXiaomiの機器だった。サーバーが不安定で、自動化が動き出すまで数分待つこともあった。オフィスの移転を機にTuyaへ移したが同じで、そこで氏は前提を疑う。Home Assistant対応をうたう機器ですら、全機能を使うにはHome Assistantが要る。ならば操作画面を機器自身に持たせればいい、と考えた。
NAMOはアプリもアカウント登録も要らない。電源を入れてWi-Fiにつなぎ、IPアドレスか「.local」のドメインでブラウザーから開けば設定画面が出て、感度の調整もゾーンの作成もファームウェア更新もここで済む。間取り図を読み込むか手で描き、部屋や壁、ドア、家具を配置したうえで、検知する範囲や無視する範囲などのゾーンを引ける。レーダーが捉えた人は3人まで図の上を動く。自動化はHome Assistantなどに任せるが、連携を切っても検知は動き続ける。
必要な部品はSeeed Studioの「XIAO ESP32S3」とLD2450系のミリ波レーダーで、静止した在席を保つLD2410Cなどは任意だ。ESP32S3は8MBのFlashと8MBのPSRAMを積んだ型に限られる。レーダーの固定に樹脂のねじとナットを指定するのは、24GHzのアンテナの近くに金属を置かないためだと説明する。ケースの3MFと基板のガーバー、回路図も公開済み。書き込みはブラウザー上のESPHome Webから完成イメージを流し込むだけで済む。

手間がかかったのは複数台の連携だと氏は書く。同じ間取り図を共有する形で最大7台をペアリングし、各機の座標系を較正して観測を1つに束ねる。こうしないと、同じ人を2台が別々に見つけて標的が2つ3つに増えてしまう。役割を機器どうしで決めて引き継ぐ小さな分散システムを載せたため、数台が落ちても自動化は止まらない。同じ操作を何度繰り返しても結果が変わらないよう手順を組み直し、3種類の役割が無限ループに陥らないよう潰す作業が特につらかったと振り返る。物理的な検証が済んでいるのは5台1グループまでで、6台や7台の構成と複数グループでの動作は今後の課題として残っている。

