アスラテックがロボット用電源基板セットを発売、モーター8台への配線を1枚に集約

アスラテックは2026年10月1日、ロボット向け電源部品の新ブランド「V-Sido Power」を立ち上げ、第1弾として「V-Sido Powerシリーズ ロボット用大電力分配基板セット」を発売した。セットは、複数のQDD(準ダイレクトドライブ)モーターを使うロボット向けに、モーターへの電源の分配と、電源を入れた瞬間の保護を2枚の基板にまとめたものだ。

同社によると、多足歩行ロボットや人型ロボットでQDDモーターを使う例が増えている。複数のQDDモーターに電源を配るには、配線を分岐させるほか、急な加速や減速で変動する電圧を支える大容量のコンデンサが要る。一方で、コンデンサの容量が大きいほど、電源を入れた瞬間に流れ込む「突入電流」も大きくなる。突入電流は電子部品を壊したり、電源装置の過電流保護を誤って働かせたりする原因になる。

2枚のうち、ハブ基板は配線の分岐とコンデンサを1枚にまとめ、プリチャージ基板は突入電流を抑える。ハブ基板はXT-30コネクターで最大8台のモーターに電源を分け、合計約1000μFのコンデンサを載せる。入出力にはXT-60コネクターを備え、次の機器へ電源の配線をつないでいける。プリチャージ基板は、抵抗とMOSFETを組み合わせた回路でコンデンサへの最初の充電電流を制限する。充電は電源を入れると同時に自動で始まり、ハブ基板1枚なら1秒以内に終わる。48Vで使う場合、突入電流の最大値は約10Aに抑えられる。充電の開始に、マイコンからの制御信号やスイッチの操作は要らない。

同社は短絡への備えとして、ヒューズを2段構えで載せた。プリチャージ基板の入力側に定格30Aのヒューズを1個、ハブ基板の分岐の後ろに2系統ごとに定格20Aのヒューズを1個ずつ、計4個置き、どれも交換できる。1台のモーターや配線で起きた短絡が、システム全体に広がりにくくなる。プリチャージ基板のLEDは充電中と完了を見分けられ、ハブ基板のLEDはコンデンサに電気が残っているかを示す。プリチャージ基板には、入力側と出力側の電圧をテスターやオシロスコープで測るための端子もある。

対応する電源は24V系と48V系で、最大電流は30A、1系統あたりの許容電流は20Aだ。ハブ基板は約103×66×30mmで約75g、プリチャージ基板は約103×69×26mmで約49gある。ハブ基板が中継するのは電源だけで、CANなどの信号は通さない。どちらの基板も、電源の極性を逆につないだときの保護回路は持たない。同社は電子工作と研究開発での利用を想定しており、高い信頼性や安全性が求められる機器への組み込みは控えるよう呼びかけている。

価格は1万9800円(税込)で、スイッチサイエンスのマーケットプレイスで販売する。同社は今後も、ロボットの電源周りで使う基板などを「V-Sido Power」ブランドで展開する。

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