
米カリフォルニア州議会下院が2026年5月、3Dプリンターのメーカーに「銃を出力させない機能」の搭載を義務付ける法案「AB 2047」を可決した。Rebecca Bauer-Kahan議員が提出した法案で、正式名称は「California Firearm Printing Prevention Act(カリフォルニア銃器プリント防止法)」という。法案は州上院に送られ、成立にはこの先の審議が残っている。
背景にあるのは、3Dプリンターで作る「ゴーストガン」だ。製造番号がなく、出どころをたどれない自作の銃を指す。設計データさえあれば自宅のプリンターで部品を出力できるため、取り締まりが難しいと指摘されてきた。
法案は、州内で売る家庭用3Dプリンターに、印刷前にデータを点検する仕組みを組み込むよう求める。プリンターが受け取った設計データを、銃の設計図かどうかを見分けるソフトウエアにかけ、銃や違法な銃部品だと判断した場合は印刷を始めない、という流れだ。どの程度の精度を求めるかは、州司法省が2028年1月1日までに基準を定める。加えて、銃を作る目的でこの仕組みを解除する行為や、許可リストにないよう改造したプリンターを売る行為も罪に問われる。
賛成派は、銃をメーカー側の段階で止める対策だと説明する。推進団体のEverytownは、追跡できないゴーストガンや、拳銃を連射できるようにする違法な部品の出力を防ぎつつ、通常の3Dプリンターの使い道は妨げないとしている。
反対するのが電子フロンティア財団(EFF)だ。すべてのプリンターに、利用者の印刷を勝手に止める「検閲ソフト」を載せるようなものだと批判する。利用者が自分の機械の動きを自由に書き換えられなくなれば、無料で公開されているソフト(オープンソース)を使うことすら罪になりかねない。音楽や動画の複製を制限するDRMと同じく、メーカーが利用者を囲い込み、何を印刷したかを監視する事態を招くとも主張する。さらに、対応費用を負担できる大手に有利で、小さなメーカーや利用者が不利になるとも指摘する。


