
中国税関総署が発表したデータによると、中国の2026年1〜4月の3Dプリンター輸出は累計246万台に達し、前年同期比100.3%増と2倍を超えた。輸出額は61.06億元(約1460億円)で、前年同期比110.4%増だった。台数、金額とも前年の同じ時期から倍増しており、消費者向けの機種が伸びを牽引している。
この統計は、中国国営の中央広播電視総台(CCTV)などが2026年6月に伝えた。CCTVによると、国産の消費者向け3Dプリンターは海外で家庭用品や文化・創作関連の模型づくりに使われ、軽量で生活に密着した用途を主とする。操作が簡単で一般の利用者でも扱いやすく、一部の機種は技術の向上で工業用に迫る印刷品質に達しているという。輸出量の増加に伴い、多くの企業が海外の倉庫網を広げ、直販と代理店販売を組み合わせた販売体制を築いている。
輸出をリードするのが、広東省の深センだ。同市は世界の消費者向け3Dプリンターの約9割を生産する集積地で、2026年1〜4月の3Dプリンター輸出額は52.4億元(約1260億円)、前年同期比128.6%増に上った。これは全国の同種製品の輸出総額の85.8%を占める。主な輸出先は米国、EU、カザフスタンとしている。
深センが集積地になった背景には、部品から装置、造形、モデリング、印刷までを短時間で一通りそろえられる産業集積がある。多くの企業がソフトウェアとハードウェア、アルゴリズムの開発に力を入れ、AI技術も採り入れて、装置を扱いやすくしつつ印刷の精度や成功率を高めてきた。この分野はかつて欧米ブランドが長く握っていたが、いまは深センの各社が置き換えを進めている。
消費者向け3Dプリンターの市場では、深センのBambu Lab、Creality、Anycubic、Elegooといった企業が成長を牽引してきた。このうちCrealityは2026年5月29日に香港証券取引所へ上場し、中国の消費者向け3Dプリンター分野で初の香港上場企業になった。目論見書によると、同社の2025年の売上高は31.27億元で前年比36.65%増だった。中国企業が消費者向け3Dプリンターの世界シェアの約9割を占める構図が、輸出統計にも表れている。

