
Espressif Systemsが、スマートフォンやスマートウォッチをかざしてドアを解錠する共通規格「Aliro(アリロ)」対応機器を開発するためのSDK「esp-aliro」をGitHubで公開した。同社のマイコン「ESP32」シリーズ向けの公式開発フレームワークで、まずはNFCリーダー、つまり錠側でかざされた端末を読み取る装置の開発に対応する。
Aliroは、スマートホーム共通規格「Matter」を策定した国際標準化団体Connectivity Standards Alliance(CSA)が、スマートロックなどのアクセス制御向けにまとめた規格だ。2026年2月26日に最初の正式版となるAliro 1.0仕様が公開された。AppleやGoogle、Samsungのモバイルウォレットが対応を表明しており、メーカーごとの専用アプリを入れなくても、スマホやウォッチに入れたデジタル鍵で各社の錠を開けられるようにする狙いがある。通信方式はNFCのほか、Bluetooth LE、Bluetooth LEとUWB(超広帯域無線)の組み合わせをカバーする。
esp-aliroが現時点で実装するのは、このうちNFC方式だ。かざした瞬間に認証を済ませる高速処理や、証明書の送信、鍵情報の照合など、NFC経由の解錠に必要な一連の手順を備える。サンプルとして、STマイクロエレクトロニクスのNFCチップ「ST25R3916」を搭載した「M5Stack Unit NFC」と、ESP32-C6搭載の「M5Stack NanoC6」またはESP32-H2搭載の「M5Stack NanoH2」を組み合わせたリーダーの実装例を用意した。開発環境はESP-IDFのバージョン5.2以上に対応する。
CSAはAliro 1.0の公開と同時に、認証プログラムを含む商用化の段階に入ったと説明している。仕様策定にはAppleやASSA ABLOY、Nordic Semiconductorなど錠前・半導体各社が参加しており、EspressifもCSAの理事会に名を連ねる。CSAは今後、鍵の共有といった機能を既存実装との後方互換性を保ちながら追加していく方針を示している。

