
ハンズが、賃貸借契約の満了に伴い、2026年11月でハンズ渋谷店の営業を終了すると発表した。1978年9月9日に開業し、48年余りにわたって営業してきた店舗で、最終営業日は決定し次第知らせるとしている。
渋谷区宇田川町にあるハンズ渋谷店は、店舗面積が約5500平方メートル、取扱商品数は約10万点に上る。渋谷特有の坂道の地形を生かし、1つの階層をA・B・Cの3つに分けた独特のらせん状の構造で、館内は計24フロアで構成される。これらを結ぶ階段は総数408段。1号店は1976年開業の藤沢店だが、その後の二子玉川店を経て1978年に開いた渋谷店は、手づくり用品や工具、素材を扱う旗艦店として、また渋谷の街の文化を発信する拠点として広く知られてきた。クリエイターから日曜大工の愛好家までが、この階段を上り下りしながら買い物を楽しんできた店だ。
ハンズの前身は、東急ハンズである。1976年、東急グループの中核会社だった東急不動産の100%子会社として創業し、「手の復権」を掲げて、DIYやクラフトを提案する店として独自の地位を築いた。幅広い品ぞろえと、商品知識に基づく相談販売を特徴とし、郊外型が多いホームセンターとは異なる都市型の業態として成長した。一方で、新型コロナウイルス感染症の拡大による来店客の減少や小売業を取り巻く環境の変化を受けて業績が悪化し、2022年3月にホームセンター大手のカインズ(ベイシアグループ)へ全株式が譲渡された。同年10月には商号を東急ハンズからハンズへと変更し、現在に至る。
現在のハンズは、住まいと住生活、手づくりに関連する製品や道具、工具、素材、部品を扱う専門小売業で、本社を東京都新宿区に置く。総店舗数は98店舗に上る。同社は、実際に商品を手に取って選べるリアル店舗ならではの購買体験を原点と位置づけ、渋谷店が培ったこの姿勢を全国の店舗へ引き継ぐとしている。現在は「生活編集図鑑」と題し、じっくり試して選べるコーナーを各フロアで展開中で、最終営業日に向けては各種イベントを企画している。

