
電子部品を販売する米DigiKeyは2026年10月21日、米Synapticsの開発ボード「Coralboard」の独占販売を始めたと発表した。Google Researchが開発した機械学習向けの演算回路(NPU)「Coral NPU」の技術と、Synapticsの組み込み向けプロセッサー「Astra」を組み合わせたボードで、カメラの映像や音声をその場でAIで処理する機器の試作に向く。世界各国でDigiKeyを通じて購入できる。リリースに価格の記載はない。
Coralboardは、2026年5月にGoogleの開発者向けサイトで限定版が紹介されていた。Googleの製品ページによると、プロセッサーにはSynapticsの「Astra SL2619」を使い、NPUの性能は1TOPS(1秒間に1兆回の演算)だ。メモリーは2GB(1GBも選べる)で、ストレージはmicroSDカードを使う。Synapticsの開発者向けブログによると、SL2619は2GHzのArm Cortex-A55を2つと、制御用のCortex-M52を備え、Coral NPUの技術を採用した最初の商用チップだという。
接続端子には、USB Type-CとUSB-A、カメラと画面をつなぐ端子のほか、20ピンの汎用入出力ヘッダーや、センサーなどの拡張基板を手軽につなぐ端子をそろえた。M.2スロットにモジュールを追加すれば、Wi-FiとBluetoothも使える。リチウムポリマー電池を直接つなぐ端子を備え、DigiKeyのリリースは、電池で動く機器で一日中AIを動かす用途を想定していると説明している。
ソフトウェアは、Linuxが2つのCortex-A55で、リアルタイムOSのFreeRTOSやZephyrがCortex-M52で動く。PyTorch、ONNX、TensorFlow Liteなどで作ったAIモデルを変換してNPUで動かせる。ボードはGrinnが製造し、同社の量産向けモジュールをもとに作られているため、試作から量産品への移行もしやすいとしている。
DigiKeyは、用途としてスマートカメラ、工場の監視、設備の故障の予兆を捉える予知保全、音声で操作する機器などを挙げる。在庫や仕様の詳細はDigiKeyの製品ページで確認できる。

