スマホのWi-Fiチップで2.4/5GHz帯の電波を見るアプリ「wfscope」

スマホに入っているWi-Fiのチップを、2.4GHz帯と5GHz帯の電波を観測する装置に変えるアプリが、2026年10月22日にGitHubで公開された。Sailfish OS用の「wfscope」で、周波数ごとの電波の強さと、その時間変化を画面に表示する。作ったのはJimKnopfIoT氏で、研究プロジェクトの最初の公開版と位置づけている。

wfscopeが使うのは、スマホが内蔵するMediaTek製のWi-Fiチップだ。同氏は、メーカーが公開していない試験用の機能(ICAP)でチップをテストモードに切り替え、電波の波形データを毎秒3億2000万回の速さで、1回あたり3万2768個記録する。ICAPを使うにはroot権限が要り、使っている間は通常のWi-Fiが止まる。

wfscopeはFMラジオの受信にも対応する。同氏によると、イヤホン端子のないスマホでは、FMのアンテナ入力がUSB-C端子に回っている。同氏はUSB-Cの分岐基板にプローブを当てて、アナログのヘッドセットも使う補助用のピン(SBU)がその入力だと突き止めた。

同氏が試したアンテナのうち、これまでで成績が最もよかったのは、USB-Cプラグの分岐基板で、補助用のピンに75cmの電線を1本はんだ付けしたものだ。同じ場所で比べると、チップが受信できたと判定した局は、USB4ケーブルの3局に対して、電線1本では38〜39局に増えた。アース側にも電線をもう1本つないだ形は、ほぼすべての局で4〜16dB悪かった。同氏は、ヘッドセットのコードをアンテナにする前提の入力だからだと説明している。

一方で同氏は、Wi-Fiチップを使う機能を試した15〜30分後に端末が再起動したことが2回あったと明記し、原因が分かるまでは安全でないものとして扱うよう求めている。アプリの説明には、Jolla J2で端末が落ちたと書かれている。アプリは電波を出さない。

FabSceneは10月16日に、Wi-Fi 7ルーターのMediaTek製チップから電波の波形データを取り出す作品を紹介した。wfscopeのソースコードはGPL-3.0以降で公開されている。Sailfish OSの端末を持ち、スマホの無線回路に関心がある人には、作者が調べた手順ごと追える内容だろう。

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