
AI音声アシスタントは、思い立った瞬間に質問できる手軽さに価値がある。スマートスピーカーは近くにいないと使えず、スマートフォンはロックを解除してアプリを開く手間がかかる。RedditユーザーのTsixom氏は、いつでも応答できるアシスタントを腕時計型のデバイスに組み込んだ。
土台にしたのは、Waveshareの開発ボード「ESP32-S3-Touch-AMOLED-2.06」だ。腕時計型のケースに、2.06インチのAMOLEDタッチ画面(解像度410×502)、2個のデジタルマイク、音声コーデック、スピーカー駆動用の回路をまとめている。中核はESP32-S3R8で、最大240MHzで動く32bitのデュアルコアに、8MBのPSRAMと32MBのフラッシュメモリーを備える。価格はWaveshare公式ストアで約30ドル(約4800円)だ。
Tsixom氏のプロジェクトは、このボード上で音声入力からAIの応答、画面表示までを完結させ、パソコンを介さずに動かす点が特徴だ。GitHubの説明によると、パソコン上で動くAIアシスタントの構成を、独立した装置として腕に載せ替える発想で作られている。
ESP32-S3はマイコンとしては高性能だが、言語モデルを単体で動かす力はない。ボード自体がオンラインの大規模言語モデルに接続する機能を備えるため、音声の認識や応答の生成はクラウド側に任せる。市販のボードをそのまま使い、特別な基板を作らない構成のため、再現しやすい。ソースコードはGitHubで公開されており、手元のESP32-S3で常時携帯できるAIアシスタントを試したい人にとって、出発点になる設計だ。

