
航海計器を並べた机の画面に、ラズパイで自船のレーダーの映像を映すソフトが「Exodus Radar」として公開された。対象はRaymarineのレーダー「Quantum」で、レーダーがネットワークに流すデータを直接読み、毎秒8コマで周囲の反射を描く。公開したのは、米国東部のチェサピーク湾で全長約16mの帆船「Exodus」を改修しているErik氏とTara氏の2人組「Sailing Exodus」だ。
同船では、航海用のソフトをまとめたOpenPlotterと、船の計器のデータを集めるSignal KがRaspberry Piで動いており、Exodus Radarはこのラズパイと画面をそのまま使う。同チームはこのソフトを船のレーダーの代わりではなく「もう1つの意見」と位置付け、航海には純正の機器を使うよう求めている。
Sailing Exodusの説明によると、レーダーが流すデータは暗号化されていないが、仕様は公開されていない。同チームは自作のツールで生のデータを調べた。データ量は1秒あたり約6KBと小さく、当初は状態を知らせる通信だと考えたが、実際は反射のない区画を圧縮して送っていた。同チームは、解読にKees Verruijt氏が開発したmayaraとradar_piの成果を参考にしたとしている。
画面には、AIS(船舶が自船の位置や針路を発信する仕組み)で受けた周囲の船が重なり、6分後までの進路が線で表示される。15分以内に約300m以内まで近づく船は、危険な船の一覧に出る。錨泊中は、ボタンを押すと船の位置に半径約46mの円を置き、船が円から出ると警報を鳴らしてTelegramにも通知する。見張りの機能は表示とは別のサービスとして動くため、画面を閉じても止まらない。
電波を出すボタンは、4秒以内に2回押さないと働かない。同チームはブラウザー版も用意し、船内のネットワークにつないだスマートフォンやタブレットから同じ画面を開けるようにした。
対応するレーダーはQuantumだけで、動作を確かめたのはQuantum 2だけで、ほかの機種では試していない。ライセンスは非商用に限って使えるPolyForm Noncommercial License 1.0.0だ。同チームは、販売する製品に組み込む場合や他人の船に有料で設置する場合は連絡するよう求め、メーカーとは関係がなく認証を受けた航海機器でもないと明記している。

