
電気も携帯電話の電波も届かない遠くの門が、開いたか閉じたかをスマホに知らせる仕組みを、「VijitSingh97」と名乗る開発者がオープンソースで公開した。Raspberry Piと、遠くまで届く無線「LoRa」を組み合わせ、牧場の門の見張りに使う。
広い牧場や農場では、門ごとに電源を引いたり、携帯電話の回線を通したりするのは難しい。このシステムでは、門の側に置いた小型のRaspberry Pi(Zero W/Zero 2 W)が、磁石を使う開閉センサーで門の状態を見る。状態が変わると、その情報を暗号化して、LoRaの電波で家の中の「親機」に送る。LoRaは、消費電力が小さく数km先まで届く無線で、Wi-Fiが届かない場所でも使える。門の側は電池やソーラーで動かせる。
家の中の親機には、Raspberry Pi 3B+を使う。受け取ったデータを解読して記録し、メッセージアプリ「Telegram」に通知を流す。利用者は、ふだん使っているTelegramのチャットで通知を受け取り、文字のコマンドで操作する。「/status」で今の状態を聞き、「/pair」で新しい門を登録する、といった具合だ。
門にモーターなどをつなぐリレー(スイッチの役目をする部品)を付ければ、「/open」「/close」で遠隔から門を開け閉めもできる。クラウドのサービスや専用アプリは要らず、操作の窓口はTelegramのチャットだけで完結する。
通信は門ごとの鍵で暗号化し、同じ信号を送り直す「なりすまし」を防ぐ仕組みも入れている。ソフトはMITライセンスで公開され、書き込み済みのイメージファイルも配布している。開発者は、実機で一通り動くことを確認した、ひとつの牧場・1人の運用を想定した趣味の段階のシステムだとしている。

