
英Adiuvo Engineering & Trainingが、Raspberry PiのマイコンRP2354とEfinixのFPGA「Trion T8」を1枚に載せた開発ボード「Forgix」を発売した。価格は50ドル(約8100円)で、FPGA Horizonsのオンラインストアで販売している。
FPGAは、回路の構成を後から書き換えられる半導体だ。マイコンのソフトウェアでは間に合わない高速な処理や、独自の信号処理をハードウェアとして組める。ただし開発ボードは1万円を超えるものが多く、学習用に手を出しにくかった。Forgixは、そのFPGAと使い慣れたマイコンを1枚にまとめ、基板の大きさをマイコンボードのTeensyと同じ28ピンのDIP形状に収めた。ブレッドボードに挿して使える。
マイコン側のRP2354は、Raspberry PiのRP2350に2MBのフラッシュメモリーを内蔵した派生品だ。150MHz動作の32bitデュアルコアで、コアごとにArm Cortex-M33とRISC-Vのどちらの命令セットで動かすかを選べる。SRAMは520KBを備え、USB 1.1やUART、SPI、I2C、ADCといった周辺機能も使える。
FPGA側のEfinix Trion T8F49は、論理素子を7384個持つ。電源を入れると、RP2354が8MHzのSPI経由でFPGAに回路情報を書き込んで起動させ、その後も同じSPIでやり取りする。ボードにはQSPI接続のPSRAMも載る。給電と書き込みはUSB Type-C 1本で済み、押しボタンとRGB LED、デバッグ用のSWD端子を備える。
開発環境はそろっている。マイコン側はArmとRISC-Vの既存のツールを使い、FPGA側はEfinixが無償で配布する「Efinity」でVHDLやVerilogから回路データを作る。ボードのデータはオープンソースとして公開し、FPGAへの書き込み用プログラムなど必要なファイルをリポジトリに置いている。
Adiuvoの創業者Adam Taylor氏は、マイコンとFPGAをつなぐSPIは速度が限られ、FPGA自体も小さいため、マイコン側から重い処理を肩代わりさせる使い方は想定していないと説明する。FPGAはできるだけ自律して動かし、マイコンはFPGA内のレジスタ設定や状態の読み出しに使う形を勧める。そのうえで、FPGA設計を学びたい人には比較的安く、基礎をつかんでから上位のボードへ進めるとしている。

