ドローンでレーザーを反射し火山ガスを最大3000点計測、TUMが噴火予測に応用

ドイツのTechnical University of Munich(TUM)の研究チームが、飛行するドローンを反射板に使って火山ガスの濃度を測る計測システムを開発した。地上からレーザーを撃ち、ドローンで反射させて、噴火の兆候をより正確に捉えることを目指す。成果は2026年7月10日に発表された。

マグマが地表へ勢いよく上がるほど、火山からは多くのガスが放出される。なかでも二酸化炭素と二酸化硫黄の比率は、地下で何が起きているかを知る手がかりになる。ただし、こうしたガスをこれまでのように地上で測ると、周囲の植物や土壌が出す二酸化炭素も混ざり、火山由来の信号だけを取り出しにくい。

研究チームは、ガスの雲の上をドローンに飛ばせることでこの問題を抑えた。地上に置いた小型の台車にレーザーを載せ、空を飛ぶドローンを自動で追尾して、機体に付けた反射板に光を当てる。レーザーがガスの雲を通ると、測りたいガス(この場合は二酸化炭素)に吸収されてわずかに弱まる。ドローンは決められた経路を10〜15分かけて飛び、レーザーから最大60m離れた範囲で最大3000回の測定を集める。アルゴリズムが、このデータと現地の風の条件から、ある高度のガス濃度の分布図を作る。風洞実験では、測定の誤差は約5%だった。

研究チームのMarius Schaab氏は、イタリアのシチリア島沖にあるエオリア諸島のVulcano島で、このシステムを初めて自律運転で動かした。台車のレーザーが飛行中のドローンを自動で見つけ、反射板に位置を合わせる。開発はドイツ研究振興協会(DFG)のプロジェクトの一環で進めた。

研究を率いるAchim Lilienthal氏は、地上からの測定より精密で安全だと説明する。噴火の直前には、二酸化炭素と二酸化硫黄の比率が急に上がってから下がる変化が見られることが知られており、こうしたガスの兆候を早く捉える狙いがある。研究チームは、計測と地図作りを自動化し、データの解釈を人工知能に任せることを次の目標に据えている。

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