235万円で買える二足歩行ロボットキットが登場、全設計図もオープンソースで公開

ロボット開発スタートアップのMenlo Researchが、二足歩行ヒューマノイドロボット「Asimov v1」のDIYキットを約235万円(1万5000ドル)で販売することを発表した。購入に先立ち499ドル(約7万8000円)のデポジットで予約でき、2026年夏の出荷を予定している。機械設計データやシミュレーションモデルを含む全設計情報をGitHubでオープンソース公開しており、手間を厭わない上級者は自力での部品調達と組み立ても可能だ。

開発のきっかけは既製品への不満だった。チームは当初、市販の二足歩行ロボット「Unitree G1」を使って研究を進めていたが、膝関節の部品交換に2ヶ月かかる事態が発生し、開発が完全に止まった。「自分たちで作った方が早い」という結論から、Asimov v1の開発が始まった。

Asimov v1は身長1.2m・体重35kgの二足歩行ロボットで、25個の電動関節(アクチュエーター)と受動的なつま先関節2個を持つ。最大出力は各関節120N・mと産業用に匹敵する水準で、頭部には200万画素カメラ・4チャンネルマイク・スピーカーを搭載する。制御には小型コンピューター「Raspberry Pi 5」がネットワークとメディア処理を担い、リアルタイムの動作制御には「Radxa CM5」が当たる二重構成をとる。足首はRSU(回転・球面・ユニバーサル)機構と呼ばれる並列関節設計で、段差や衝撃への自然な対応を実現する。

ソフトウェア面では物理エンジン「MuJoCo」上のシミュレーション環境を標準提供し、強化学習による歩行制御のトレーニングがすぐに始められる。シミュレーション中にCAN通信の遅延(最大9ms)やセンサーノイズをあえて混入する「Processor-in-the-Loop」方式を採用し、実機へのゼロショット移行(追加調整なしで実機を歩かせること)を実証済みだ。

設計データはハードウェアにCERN-OHL-S-2.0、ソフトウェアにGPL-2.0ライセンスで公開されている。現時点では機械CADと電気配線図が公開済みで、PCBデータとモバイルアプリは開発中。キットには部品一式・電源ケーブル・スペアパーツ・組み立てマニュアルと動画が同梱される予定だ。

関連情報

Humanoid robot with a dark blue chassis and gold shoulder joints against an orange background.

fabsceneの更新情報はXで配信中です

この記事の感想・意見をSNSで共有しよう
  • URLをコピーしました!

最新記事

YouTube / PodCast

【PR】読んで役立つ注目記事

目次