
韓国科学技術院(KAIST)のJimin Kwon教授らの研究チームが、次世代のAI向け半導体として注目される2次元半導体について、良い材料を選び出して素子を作る作業を自動化した。数千個の素子を作って測り、厚さと性能の関係という、長らくつかみにくかった点を統計的に明らかにした。成果は学術誌Advanced Functional Materialsに掲載された。
2次元半導体は、原子数個分ほどの薄さの材料で、電子が速く動くため、消費電力の小さい次世代チップの候補とされる。微細化が限界に近づくシリコンに代わる材料として期待され、「夢の半導体」とも呼ばれる。ただし、溶液を使って作る場合、小さな薄片は1枚ごとに位置も大きさも厚さも異なる。研究者はそれを1枚ずつ探して測る必要があり、手間がかかるうえ、まとまった数のデータを得にくかった。
研究チームは、この探索と素子作りを自動化した。二硫化モリブデン(MoS2)という代表的な材料を対象に、多数の薄片を選び、トランジスタに仕立て、数千個の特性を測った。人手では届かない規模のデータを集めたことで、厚さが電気の特性にどう効くかを、ばらつきの中から統計的に取り出せた。1個や数個の測定ではばらつきに埋もれて見えなかった傾向も、多数のデータでははっきり現れる。
個々の薄片を手作業で探して測る従来のやり方では、まとまった統計が得にくく、材料選びが職人の勘に頼りがちだった。今回の自動化は、そうした2次元半導体の研究を、データに基づく進め方へと変える一歩になる。集めたデータは、どの厚さの材料がどんな用途に向くかを見極める手がかりにもなる。研究には韓国のUNISTや漢陽大学なども参加し、論文は2次元材料と電子デバイスの分野で注目の研究として取り上げられた。研究チームは、AI向けや、消費電力を抑えた半導体の実用化を後押しすると見込む。

