
米連邦通信委員会(FCC)は2026年10月8日、無線機器の認証に必要な試験を、米国と相互承認協定(MRA)またはそれに準じる協定を結んだ国・地域に限る規則案を公表した。協定のない国・地域にある試験所は、FCCの認定を受けられなくなる。FCCは10月29日の定例会合で規則案を審議する予定で、採択されれば2028年12月1日から適用される。
米国でWi-FiやBluetoothなどの電波を出す機器を販売するには、FCCの機器認証を取る必要がある。メーカーはFCCが認定した試験所で電波の測定を受け、その結果を基に認証機関(TCB)が認証を出す。規則案は試験所に加え、認証機関と、試験所を審査する認定機関についても、協定のない国・地域にあるものの認定を禁じる。米国や協定国の機関でも、協定のない国・地域で試験や認証をする場合は対象になる。
FCCが規則案に添えたデータによると、同委員会が認定する試験所は609カ所で、所在地の内訳は中国が25.1%、台湾が18.4%、米国が17.9%、日本が9.4%、韓国が6.6%だ。協定のない国・地域にある試験所は全体の27%にとどまる。一方、実際に試験した場所で見ると、中国の割合は2007年の約13%から2025年には82%超に増え、米国は約31%から4%未満に減った。規則案は、試験所が1つの国に過度に集中する状態を避けることを目的の1つに挙げている。日本、台湾、韓国、ドイツ、英国などは協定のある国・地域に含まれる。
協定のない国・地域の試験所は、2028年12月1日まで認定を維持できる。移行期間中に新しく認定を受けた試験所も、同日で一律に認定が切れる。同日以降に受け付ける認証申請は、新しい規則に沿った試験と認証に基づく必要がある。それまでに出た認証は、個別に取り消されない限り有効とする。協定のない国・地域の試験所を対象にした例外の手続きは新設しない。
FCCは併せて、米国内と協定国での試験能力を増やすための優遇策や、試験所と認証機関に取引主体識別子(LEI)の取得を義務付ける案についても意見を募る。メーカーが自ら規格への適合を宣言する手続き(SDoC)の試験を、FCC認定の試験所に限る案も含まれる。

