
ラズパイを家庭用のクラウドサーバーに変えるOS「KODE OS」が、初めて起動可能なイメージを公開した。開発元のKODE NASが2026年5月27日にバージョン0.2.0-alphaを出した。アカウント登録もテレメトリー(利用状況の外部送信)もなく、写真やファイル、アプリを自分のネットワークの中だけで扱える点が特徴だ。
KODE OSは、写真や動画、ファイル共有、スマートホーム、広告ブロックといったアプリを、家族の誰もが使えるダッシュボードにまとめる。各自のアカウントを作れ、子どもは自分の画面でサインインし、保護者が管理する形にできる。ウィジェットはドラッグ&ドロップで並べ替えられ、あらかじめ用意された6種類のレイアウトから選べる。導入できるアプリには、写真管理のImmich、メディア再生のJellyfin、ファイル管理のFile Browser、広告ブロックのPi-hole、スマートホームのHome Assistantなどがそろう。
最大の変化は導入方法にある。従来はSSHでインストーラを動かす必要があったが、0.2.0-alphaでは1枚の起動イメージを配布する方式に変わった。圧縮済みで約475MBの.img.xzファイルを、Raspberry Pi ImagerでmicroSDカードに書き込んで起動するだけで、コマンド入力(ターミナル)は要らない。起動後はブラウザで http://pebble.local/ を開き、ウィザードに沿ってWi-Fiやアカウント、最初のアプリを設定する。初心者向け・通常・開発者向けの3つのモードがあり、初心者向けでは技術的な項目を隠す。土台はRaspberry Pi OS Liteだ。
KODE OSは、自宅サーバー向けのOS「CasaOS」を派生させたもので、技術的な土台はそのままに、詳しくない家族でも使えるよう作り直している。ライセンスはApache 2.0で、システム本体のkode-osと、ダッシュボードのkode-os-uiという2つのリポジトリに分けてGitHubで公開する。
対応機種はこのバージョンではRaspberry Pi 5のみで、4GBモデルで検証済み、8GBモデルは未確認とする。Raspberry Pi 4への対応は次のバージョン0.3.0を予定する。アルファ版のため仕様や初期設定は今後変わる可能性があり、開発元は再書き込みできる機材で試すよう勧めている。市販のクラウドサービスに頼らず、手元の小さな基板1枚にデータを置きたい人にとって、試す価値のある選択肢になりそうだ。

