
M5Stackが、電子ペーパーを載せたESP32-S3の開発ボード「PaperMono」を発売した。3.97インチ・480×800のモノクロ画面にタッチとフロントライトを備え、LoRaとNFCの両方を積む。自社ストアでの価格は65ドル(約1万円)。LoRaとNFCを省いた「PaperMono Lite」は55ドル(約8700円)になる。
電子ペーパーは電源を切っても表示が残る代わりに、書き換えが遅い。同社が公表した実測値では、いちばんきれいに出す設定で1回あたり4.71秒かかる。ただし文字向けの設定なら0.45秒、最速の設定では0.07秒まで縮む。5月に出した「PaperColor」より速い選択肢として位置づけている。速い設定を使うと前の表示が薄く残るため、部分的な高速書き換えを10回ほど続けたら全画面を1回書き換えるよう同社は勧めている。
通信は3系統ある。ESP32-S3R8による2.4GHz帯のWi-Fi、SX1262を使ったLoRa、そしてST25R3916によるNFCだ。NFCはISO14443A/Bのほか、FeliCaとISO15693にも対応する。 LoRaのアンテナはフィルム状のものを内蔵し、868MHz〜923MHzの帯域を扱う。
記憶容量はフラッシュが16MB、作業用メモリが8MBある。ほかに姿勢を測る6軸センサー、時計用のチップ、microSDスロット、マイク、ブザー、フルカラーのLEDを載せる。本体は61×101×7.95mmで、1150mAhの電池を内蔵する。
電源まわりには自社製のM5PM1、入出力の拡張には同じく自社製のM5IOE1を使う。電子ペーパーのリセットと3.3V電源、フロントライトの明るさ、タッチコントローラーの電源、microSDの電源はいずれもこの2つのチップが握る仕組みで、ESP32-S3から直接叩く配線にはなっていない。リアルタイムクロックとセンサーの割り込みはM5PM1につながり、低消費電力状態からの復帰に使える。
開発環境はArduino IDE、UiFlow2、ESP-IDFに対応する。回路図と外形図のPDF、各チップのデータシート、工場出荷時ファームウェアのソースコードが公式サイトで公開されている。ただし同社は、M5GFXライブラリに入っている電子ペーパーの駆動波形が現時点では不安定だとして、パネルメーカー純正の設定例を先に使うよう案内している。充電チップIP2315がI2Cバスに与える影響についても、通信後は速やかに切り離すようにという注意書きがある。
上位版は公開直後に在庫切れとなり、次のロットは2027年になると同社は説明する。Lite版は在庫がある。なお日本で使う場合、LoRa部分の技術基準適合証明については公式サイトに記載がない。

