MITがダイヤモンドでGaNチップを冷やし、6G向け無線増幅器を高性能化

Courtesy of the researchers / MIT

スマホや衛星の通信を速く、省電力にする鍵が、半導体の熱をどう逃がすかにある。MITなどの研究チームが、高速通信に向く半導体のGaN(窒化ガリウム)のチップを、薄いダイヤモンドの層に埋め込んで熱を散らす手法を開発した。これで、6Gや衛星通信に使う無線用の増幅器を、性能を落とさずに動かせるという。成果は2026年6月8日にMITが公開した。

多くのチップの土台であるシリコンは、扱える電力に限界がある。これが通信の速さと省電力の壁になる。GaNは高速で高出力に向き、急速充電器などにも使われている。ただ、優れたGaNでも電力の多くが熱に変わる。小さな面積にGaNのトランジスタを詰め込むほど、局所的に熱がたまり、信頼性と性能を下げる。

そこでチームは、熱をよく伝えるダイヤモンドに注目した。ダイヤモンドが熱を広げて温度を均すと、トランジスタは信頼性を保ったまま本来の性能に近づく。この手法で作った無線通信用の増幅器は、文献にある同種の増幅器をどれも上回ったという。

これまでは、GaNの上に薄いダイヤモンドの単結晶を育てて熱を逃がす方法があった。だが、この育成は量産しにくいうえ、回路に不要な静電容量を生む。静電容量は電気をため込み、トランジスタの動きを鈍らせる。MITのチームは別の道を選んだ。極めて小さなGaNのトランジスタ(ダイレットと呼ぶ)を、単結晶ダイヤモンドの薄い土台に埋め込む。こうすると、GaNとシリコンが同じ温度で動き、不要な静電容量も避けられる。

作り方は精密で、異なる素材を組み合わせる必要があるが、量産に必要な規模でも作れるという。研究は米ジョージア工科大学やペンシルベニア州立大学との共同で、IEEEの無線関連の学会で発表した。チームのPradyot Yadav氏は、無線機器に万能の素材はなく、複数の素材を立体的に組み合わせる方式が今後も続くとし、残る課題だった信頼性と熱の管理に道筋がついたと述べる。

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Brown square board featuring a maze-like white path with a small central connector or switch on a dark background framed by colorful geometric backdrop.

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