
三井金属と北海道大学が、宇宙から降り注ぐ宇宙線が原因の「熱中性子」を99%以上さえぎる極薄の金属箔を開発した。半導体チップに貼るだけで、宇宙線による誤動作を防げるという。2026年6月8日に発表した。
宇宙線が大気とぶつかると中性子が生まれ、これが半導体に当たると、データが書き換わるなどの誤動作を起こす。これをソフトエラーと呼ぶ。航空機や通信インフラの機器で問題が表れており、回路の微細化が進むほど起きやすくなると指摘されている。中でも熱中性子は、エネルギーが低いのに、高速の中性子に近い確率でソフトエラーを起こすと先行研究で報告されている。
三井金属が開発したのは、レアアースのガドリニウムを使った金属箔だ。北海道大学の電子加速器を使ったパルス中性子施設「HUNS」で遮蔽の性能を調べ、厚さ0.1mm程度でも熱中性子を99%以上さえぎると確認した。
箔が薄いため、半導体チップや装置に貼って回路を熱中性子から守れる。両者は、ソフトエラーを防いで機器の信頼性を高められるとみる。ガドリニウム化合物を部材や壁に塗る塗料や、高温の場所でも使える溶射材など、用途を広げる検討も進めるとしている。

