
米オークリッジ国立研究所(ORNL)は2026年10月13日、原子力施設のコンクリートを流し込む型枠を、大型の3Dプリントと切削加工で製作したと発表した。繊維で強化した複合材の型枠は、設計から造形、納品までを約2週間で終えられる。従来の鋼製の型枠は、製作に約6カ月かかるという。
型枠は、流し込んだコンクリートの圧力に耐える設計で、繰り返し使える。重要な面の寸法精度は約1.6mmに収めた。型枠同士をかみ合わせる継ぎ目を設け、放射線を遮る壁のパネルを、すき間をモルタルで埋めずに組み立てられるようにした。
実証の場は、原子炉を開発するKairos Powerがオークリッジの拠点で建設中の、低出力実証炉「Hermes」の敷地だ。約3m四方の型枠の区画を3段積んで柱状にし、遮蔽用のコンクリートをその場で打設する「Janus」と呼ぶ実証を、Kairos Powerと建設会社のBarnard Constructionが数日で終えた。Barnard Constructionは現場で型枠を使いながら改良点を伝え、ORNLはそれを設計の変更に反映した。両社は、Hermesの施設の一部にも同様の型枠を使う計画だ。
開発には、ORNLの製造実証施設(MDF)のほか、Kairos Power、Barnard Construction、米メイン大学の先端構造・複合材センター、材料メーカーのAirtech Advanced Materials Group、大型3Dプリンターを手がけるJuggerBot 3D、Additive Engineering Solutions、Haddy、Tru-Designが加わった。MDFは米エネルギー省の先端材料・製造技術室(AMMTO)の支援を受けている。
一連の取り組みは、複合材の展示会「CAMX」で2026年のCombined Strength Awardを受けた。同賞はCAMXの2つの主要な賞の1つで、異なる専門性を組み合わせて複合材の課題に取り組んだチームに贈られる。ORNLは、複合材に使った繊維と樹脂の種類、3Dプリンターの機種、型枠を繰り返し使える回数を公表していない。型枠の製作期間の短縮で、施設全体の工期がどれだけ縮まるかも示していない。

