
イタリアのSfera Labsが、Raspberry Piを産業用のエッジサーバーに変える「Strato Pi Plus」の出荷を開始した。2026年3月に発表していた製品で、DINレールに取り付ける4モジュール幅の筐体に、Raspberry Piと監視用のマイコンを組み合わせて収める。価格は344.40ドル(約5万6000円、税別)からとなっている。
工場や設備の制御盤にLinuxのシングルボードコンピューターを入れたいが、産業機器に求められる信頼性をどう担保するか。同社はこの課題に対し、Raspberry Pi 4 Model BまたはRaspberry Pi 5と、Raspberry Pi製マイコン「RP2354」を組み合わせるハイブリッド構成で応えた。RP2354はRaspberry Piとは完全に独立して動作し、ハードウェアウォッチドッグ、電源の再投入制御、RS-485の送信許可、CAN通信、リレー出力、ファン制御、入力電源の監視を担う。Raspberry Pi側のOSが応答しなくなっても、RP2354がそれを検知して自動的に復帰させる。RP2354のファームウェアはRaspberry PiのGPIO経由で更新でき、現場に出向かなくても書き換えられる。
産業用の通信インターフェースも充実している。RS-485は最大4系統で、それぞれ個別に絶縁されており、静電気放電への保護と終端抵抗の設定、A/B線の反転に対応する。CANはV2.0BとCAN FDに対応し、最大8Mbpsで通信できる。こちらも絶縁と静電気保護を備える。長いケーブルを引き回して多数の機器やセンサーとやり取りする用途を想定した構成だ。
電源は10〜50Vの直流入力に対応し、サージと逆接続の保護、3.3Aの復帰型ヒューズを備える。24V系の設備にそのままつなげる設計だ。このほか、温度補償型の発振器を使った高精度リアルタイムクロック(交換可能なバックアップ電池付き)、Microchip製のセキュアエレメント「ATECC608」、48V直流1Aのリレー出力を搭載する。動作温度は-20〜60℃、筐体寸法は71.3×91.0×62.0mm、重量は200gだ。
Raspberry Piは4Bの2GB/4GB/8GB、5の2GB/4GB/8GB/16GBから選べる。インターフェースの構成も、RS-485を4系統とCAN、リレーを備えるものから、RS-485を1系統だけ持つ簡素なものまで3種類を用意した。冷却ファンの有無も選択できる。Raspberry Pi 5搭載モデルには、2026年後半にM.2 SSDへの対応が追加される予定だという。CE・FCC・ICの各認証に適合している。

