米テキサスA&M大が純金属を250nm以下で3D造形、ポリマー不要で低エネルギー

米テキサスA&M大学の研究チームが、純粋な金属のナノ構造を3次元で造形する新しい手法を発表した。ごく短い光のパルスを出すフェムト秒レーザーで、金属の微粒子でできたインクを融合させ、深さ方向と横方向のどちらも250nm以下の細かさで形を組み上げる。形を保つための樹脂などを使わず、低いエネルギーと低い温度で作れる点が特徴だ。成果は学術誌Nature Communicationsに掲載された。

金属を微細な立体に3Dで造形するのは、これまで難しかった。多くの手法は、造形中に形が崩れないようポリマーなどの添加物に頼るが、純粋な金属を得るには、高い温度でその添加物を焼き飛ばす必要がある。型やマスクを使う方式は量産に向く一方、あらかじめ用意した型に縛られ、自由な形を作りにくい。

新手法は、フェムト秒レーザーの短いパルスを使い、ナノ結晶と呼ぶ金属の微小な粒の中に「ホットエレクトロン」を時間的にも空間的にも閉じ込める。これで複数の電子をまとめて励起し、粒を覆う分子を外して、粒どうしを融合させる。従来の多光子方式のおよそ100分の1という低いパルスエネルギーで済み、ポリマーもいらない。試料を動かすピエゾステージと、光を振るガルボスキャナーを組み合わせ、自由な立体を描く。

材料には、金や銀、白金の市販インクに加え、銅やニッケル、コバルトの粒を自作して使った。研究チームは、10×10のらせんを並べた配列や、階層構造を持つメタマテリアル、小さな自由の女神やエッフェル塔をかたどった立体などを造形した。金で作った構造は、圧縮試験で25%までつぶしても、荷重を抜くと形が戻り、崩れも割れもしなかった。

想定する用途は、光を操るメタマテリアルや半導体の製造、センサー、ナノロボットなど幅広い。研究チームは、材料を選ばず任意の形を作れる点を、この手法の強みとしている。

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