汗で健康を監視できるパッチが登場、21日間交換不要で運動しなくても計測可能

米カリフォルニア大学アーバイン校(UCI)の電気工学・コンピュータサイエンス学科のRahim Esfandyar-pour助教らの研究グループが、皮膚に貼り付けるだけで汗に含まれる健康指標をリアルタイムで計測できる柔軟なウェアラブルパッチ「IREM-W2MS3」を開発した。論文は2026年5月13日、Nature Biomedical Engineering誌にオンライン掲載された。

汗は血糖・ストレス・運動強度・腎機能などの情報を体外に持ち出す体液だが、従来の汗センサーは長く使えないという問題があった。センサー表面にバイオマーカー分子が積み重なっていくと計測精度が落ちるため、頻繁に交換する必要があった。また、十分な量の汗サンプルを得るために激しい運動が必要なことも、日常での継続使用を難しくしていた。

IREM-W2MS3はこの2つの課題を同時に解決した。計測するバイオマーカーはコルチゾール(ストレスホルモン)・グルコース(血糖)・乳酸(lactate、運動負荷の指標)・尿素(腎機能の指標)の4種類で、これらを同時に継続的に測定できる。センサーの認識素子には酵素や抗体の代わりに合成分子インプリントポリマーを使っており、密度汎関数理論という量子化学計算で各バイオマーカーに最適な形状を設計した。

センサー表面の再生は電気的に行われる。分子が積み重なったタイミングでセンサーに低電圧を印加すると、捕捉されていた分子が表面から剥がれ落ちてセンサーが初期状態に戻る。この再生プロセスにより、さまざまなpH・温度条件下で21日間連続して使用しても性能の劣化がほとんど見られなかった。

発汗の誘起には生体適合性ハイドロゲルを使い、NFCでワイヤレス給電されたときに皮膚の限られた範囲だけに局所的な発汗を引き起こす。ユーザーが運動しなくても汗サンプルを採取できるため、日常的な持続監視が現実的になる。パッチ自体はバッテリーを内蔵しておらず、AndroidスマートフォンかカスタムICウォッチ型リーダーからNFCで電力を供給する。

UCI Beall Applied Innovationを通じて特許出願済みで、製造・商業化に向けた取り組みが進んでいるという。

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Person's forearm with a white rectangular wearable device strapped on, outdoors near yellow bushes.

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