
NVIDIAは2026年8月25日、ロボットやドローンに載せるエッジAI向けの小型コンピューター「Jetson Orin Nano 2」を発表した。AI演算性能は78 TOPS、メモリーは8GB、CPUは8コアのArmで、前世代の「Jetson Orin Nano Super」に比べて推論性能が2倍になった。ただしモジュールと開発キットの提供は2027年前半の予定で、価格は公表していない。
Jetsonは、カメラの映像を機器の内部で判断させるための小型基板で、Raspberry Piなどでは処理が追いつかない画像認識や言語モデルを動かす用途に使われてきた。今回の伸びしろは動作周波数ではなく、Tensor Coreの改良とメモリー帯域の向上によるものだとNVIDIAは説明する。基板の寸法は前世代のままで、15Wモードで動かした場合、前世代と同じ性能を40%少ない電力で出せる。
比較対象となる前世代のOrin Nano Superは、2024年12月にソフトウェア更新で性能を引き上げた製品だ。同じハードウェアのままAI性能を40 TOPSから67 TOPSへ、メモリー帯域を68GB/sから102GB/sへ、CPUの動作周波数を1.5GHzから1.7GHzへ上げている。今回の78 TOPSはその67 TOPSと比べた数字で、演算性能そのものの伸びは2割弱にとどまる。推論が2倍になるという主張は、メモリー帯域の改善がモデルの処理速度を押し上げるという説明に基づく。
動かせるモデルとしてNVIDIAが挙げるのは、同社のCosmosとNemotron、GoogleのGemma 4、AlibabaのQwen 3で、いずれもメモリーの少ない環境向けに調整した版になる。言語モデルだけでなく、画像と言語を合わせて扱うモデルも対象に含む。ソフトウェアは同社が公開しているスタックとJetson agent skillsを使う。
採用を決めた、あるいは評価を進めている企業として、画像認識のCognex、建設機械のDoosan Bobcat、家庭用ロボットのMatic Robots、そしてAlphabet傘下でドローン配送を手がけるWingを挙げた。Wingは現行のOrin Nano Superをすでに配送ドローンに積んでおり、次世代機の評価を予定する。Matic Robotsは掃除ロボットに載せ、会話や身ぶりの認識、部屋の地図と物の配置の理解に使うとしている。キャリアボードや完成システムを手がけるパートナーには、Seeed StudioやAdvantech、ADLINKなど20社以上が名を連ねる。

