ラズパイと3Dプリントでフィルム風カメラを製作、画面はスマホのブラウザーに

スマートフォンで撮った写真はきれいすぎる。フィルムのような色味がほしくても、実際にフィルムで撮れば現像の手間がかかる。Suveen Ellawela氏は、その中間を埋めるカメラを作った。Raspberry Pi Zero 2 WとCamera Module 3で組んだ「Tiny Film Camera」で、コードとCADデータをMITライセンスで公開している。

同氏は2023年、小型のデジタルカメラ「Papershoot」を買い、解像度が低いまま使い続けていた。友人が来客に「これは彼が自分で作ったカメラだ」と紹介するほど手作りらしい見た目で、そのたびに質問が始まるので、すぐには訂正しなかったと書いている。今回それを本当にした形だ。

つまずいたのは色だった。Camera Module 3から出てくる写真は非常にきれいで、非常にデジタルだった。狙った見え方にするため、組み立てが終わる前から違う光の下へ持ち出して試した。テストをしやすくする簡単な筐体を先に作っておくべきだった、と振り返っている。

筐体の1作目は、Printablesにあった既製のRaspberry Pi用ケースとWaveshareのUPS用ケースを組み合わせて済ませた。層を留めるスペーサーは生成AIに任せてみたが、出てきたのは20mmと25mmのC字型ブラケットだけで、穴の径を変えながら何度か試して形にした。配線とケースの重なりが見え、シャッターボタンは結束バンドで留めただけだったが、持つとカメラらしく感じられたという。そのまま卒業式に持って行って撮影し、感触に納得できずに作り直しを決めた。

2作目ではOnshapeを覚え、部品をすべて自分で設計した。取り付け穴のまわりに公差を取らなかったため、何度も出力し直した。組み立てでは大学以来のはんだ付けに戻り、熱で埋め込むインサートナットも覚えた。スライドスイッチは収まるまでやすりで削った。ねじやナットを見ればサイズをかなり正確に言い当てられるようになった、と書いている。

完成した機体には写真用と動画用のボタンが別々に付き、3位置のスライドスイッチで暖色、寒色、白黒を切り替える。起動したか、写真が撮れたかが分からない問題は圧電ブザーの音で解決した。画面は付けていない。代わりにRaspberry Piが小さなWebアプリを動かし、スマートフォンのテザリングにつなぐとブラウザーから写真と動画を一覧でき、ダウンロードや削除もできる。電池の残量も同じ画面で分かる。

部品はRaspberry Pi Zero 2 W、Camera Module 3、WaveshareのUPS HAT(C)、押しボタン2個で構成する。圧電ブザーと3位置スイッチのSS23D32は任意で、筐体は3Dプリントする。

制限も書き添えている。Raspberry Piの起動に30秒から1分かかるため、電源を入れてすぐには撮れない。写真は最大解像度で撮るので、1枚あたり3〜6秒の処理時間がかかる。Webアプリに認証はなく、信頼できるローカルネットワークでのみ使い、8000番ポートをインターネットに公開しないようにと注意している。

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