
H2Lは2026年10月14日、人が素手で作業するときの動作と力加減を学習し、ロボットを動かすAI「BodySharing Physical AI」を発表した。千葉・幕張メッセで10月16日まで開かれている「CEATEC 2026」で初公開し、ヒューマノイドロボットが自律的に片付けをする様子を見せている。展示はホール6の6H242で、インターバース社会実装推進メタコンソーシアムと人間拡張コンソーシアムの共同ブース内にある。製品の価格や提供開始時期は公表しておらず、企業からの導入相談を受け付けている。
H2Lは2012年設立の企業で、人の身体の情報をコンピューターとやり取りし、人やキャラクター、ロボットと体験を共有する技術「BodySharing」を軸にインターフェースを開発している。代表取締役CEOの玉城絵美氏はBodySharingの提唱者で、慶應義塾大学の教授も務める。これまでに、スマートフォンで遠隔地のロボットを操作して農作業に参加できるシステム(2021年)や、伊藤超短波と共同開発した手指のリハビリ機器(2022年)を手がけた。今回の学習データの取得に使う筋変位センサー「FirstVR」も同社の製品だ。

学習データを取るには、作業者の腕にFirstVRを巻き、スマートフォンかPCのカメラで作業を撮影する。専用アプリを起動すると学習が始まる。FirstVRは光学式で、筋肉の膨らみを読み取って力加減を推定する。同社は、推定値であり、物の重さや手先にかかる力を直接測るものではないと説明している。電気的なノイズや水によるノイズに強く、水場の作業でもデータを取れるという。
カメラで捉えた姿勢や動きと、センサーで推定した力加減を合わせて「固有感覚データ」として記録し、AIが扱う単位であるトークンにして学習させる。学習したAIは、ロボットの動作と力加減を含む制御信号を作る。データ取得からロボットが片付けるまでの流れは、同社がYouTubeで公開した紹介動画でも確認できる。
特設ページによると、動作を確認したロボットは単腕の「xArm7」と双腕の「Sciurus17」で、グリッパーを備えた6自由度以上の単腕ロボットと双腕ロボットに順次対応する。Sciurus17でキューブとタオルを運んで整理する作業を各100回試した社内評価では、3人が5分ずつ、計15分の作業データで成功率95%、11人が1分ずつ2回、計22分のデータで成功率99%だった。時間は学習に使った作業データの長さを示し、学習の計算時間は含まない。
想定する用途は、製造現場の技能継承、物流や小売の荷扱い、家庭での片付けの支援だ。導入相談では、現場の作業データの取得から、専用のAIの構築、ロボットへの接続までを受け付ける。

