
電子工学を学ぶ学生のemir173氏が、ESP32-S3を使った携帯ゲーム機を、基板に手ではんだ付けして作り上げた。ユニバーサル基板の上に部品を1つずつ配線した自作機で、自分で書いた基本ソフト(OS)と、15本のゲームが動く。氏にとって、これまでで一番大きな挑戦だったという。回路も、OSやゲームのコードも、すべてオープンソースで公開している。
ゲームは、どれも借り物ではなく、この機械のために一から書いた。テトリスやスペースインベーダーのような定番から、DOOMを思わせる疑似3Dの一人称もの、スーパーファミコン風の斜め見下ろしで走るレースゲーム、見下ろし型のダンジョン探索まで、幅は広い。描画から操作の受け付けまで、すべて自分のコードで動く。小さな画面に合わせて、1本ずつ丁寧に作り込んだ。
中核には、複数の処理を同時並行でさばくFreeRTOSの上に組んだ独自のOSが載る。そのOSが、ゲームの一覧表示や起動をまとめて受け持つ。画面は2つあり、メインの表示に加え、OLEDの小さな画面がシステムの情報や記録の表示を担う。新しいゲームは、SDカードから書き込める仕組みにした。パソコンにつなぎ直さずに、機体だけで入れ替えられる。
画面のちらつきを抑えるため、いったん裏の領域に絵を描いてから一気に映す「ダブルバッファリング」を使った。手配線で2つの画面や、機体だけでゲームを入れ替える仕組みまで詰め込むのは、根気のいる作業になる。メインの画面は160×128ドットと小さく、1画面の書き換えが軽いことも効いている。製作にかかったのは1カ月半ほどだ。氏はいま、配線の多い手作りから、専用の基板を起こした版へと作り直しており、テレビへの映像出力や、Bluetoothのコントローラーへの対応も考えているという。

