
作業ごとに時間を計ろうとスマホのタイマーを開いても、タスクを切り替えるたびに起動を忘れてしまう。アプリを探して押す、というひと手間が、記録を続けるうえでの地味な障壁になる。この面倒をなくせないか。
Ponderly Roboticsが公開した「FlipBuddy」は、机の上に置いたキューブ(立方体)の面を上に向けるだけで作業時間を記録する、オープンソースの自作デバイスだ。3Dプリントした外殻の中にESP32-S3を収め、面を切り替えると、その面に割り当てた活動の計測が始まる。どの色がどの活動かはあらかじめ無料のWebアプリで設定しておき、キューブのRGB LEDがその色で光る。スマホを取り出してアプリを探す動作が要らない。
仕組みの中心は、動きを検知する加速度センサー「MPU6050」だ。キューブを掴んだり動かしたりタップしたりすると、センサーがそれを感じ取って本体を起こす。このとき、活動が割り当たった全ての面が、それぞれの色で5〜7秒ほど点灯し、その後暗くなる。制作者は各面に番号や模様を付けず、上を向いた面の色だけで活動が分かる作りにした。「どの物理面に割り当てたか」を覚える必要をなくす狙いだ。停止用の面を1つ設けられ、その面を上にするとディープスリープに入って消費電力を抑える。
ソフトウェアはMicroPythonで書かれ、ファームウェアのバージョンは0.1.0だ。設定変更や履歴の確認は、スマホでの利用を主眼に置いたWebアプリ「flipbuddy.app」で済ませる。活動の名前や色はブラウザーで決め、キューブが次に起きて同期したときに反映される。Wi-FiはデータのアップロードやUSB接続時に使い、停止面ではスリープ間隔を延ばして電池を長持ちさせる。約550mAhのリチウムポリマー電池での目安は、連続で記録し続けると約3日、停止面を主に使うと約28日、1日10時間ほど記録する混在した使い方で約6.5日だという。
外殻はスナップフィットで組める設計で、STLファイルと組み立て手順のPDFがGitHubで公開されている。RGB LEDにはWS2812Bを6個使い、面は最大8面まで設定できる。制作者は「週末で終わると思ったが、数カ月かかった」と振り返りつつ、あくまで趣味のプロジェクトだと位置づける。ソフトウェアはMITライセンス、外殻などのハードウェア設計は非営利のクリエイティブ・コモンズライセンスで配布する。

