
スマホの地図に慣れた目には、四半世紀前のパソコンで地図を見るなど、考えにくいかもしれない。だが、1999年にAppleが出したOS「Mac OS 9」で、いまの地図データを閲覧できるソフトが公開された。開発者yllan氏が作った「OS9Map」だ。
OS9Mapは、誰でも自由に使える地図データベース「OpenStreetMap」の地図を、Mac OS 9の画面に表示する。マウスでドラッグすると地図が滑らかに動き、見ている範囲の周りのタイル画像が、移動に合わせて順に読み込まれる。地名や住所での検索にも対応し、入力した場所へ一気に移動できる。よく行く場所はブックマークに登録して、メニューから一発で呼び出せる。
特徴は、当時のMacのまま動く点にある。最近のパソコンで地図サービスを動かすには、複雑な枠組みや外部のクラウドが間に入ることが多い。OS9Mapは、そうした仕組みを介さず、Mac OS 9で直接動くソフトとして書かれている。動かすのに必要なのは、Mac OS 9と、PowerPCのプロセッサーを積んだ機種、16MBのRAM(推奨は32MB以上)、そしてOpen Transportを使ったインターネット接続だ。
yllan氏は、ほかにもMac OS 9で動くソフトを公開している。SNSのBlueskyを使う「PlatinumSky」と、Mastodonを使う「Palaeomastodon」だ。いずれも古いMacで動き、無料で配布されている。
開発の動機は、個人的な思いにある。yllan氏は、子どもの頃からMac向けのソフトを書きたかったと振り返る。簡単なゲームを作ろうとした当時の試みは、うまくいかなかった。その後コンピューターを学び、いまは現代の開発環境で仕事をしている。たまたまエミュレーターで昔のMacを立ち上げたことをきっかけに、幼い自分がやり残したことを仕上げようと思い立ったという。最初のバージョンは、2026年6月21日に公開された。

