ESP32でデスクトップ環境が動く、ウィンドウと11のアプリを文字だけで描画

ESP32の上で、重ねて動かせるウィンドウやタスクバー、スタートメニューを備えたデスクトップ環境を動かす「TinyDesk」が公開された。画面は文字だけで描き、パソコンの端末ソフトに表示する。作ったのはschikani氏で、2026年9月28日に開発者向けのプレビュー版を出した。

TinyDeskは、画面を表示するためのハードウェアを使わない。同氏は表示をパソコン側の端末ソフトに任せた。ESP32はUSBのシリアル通信で、カーソルの位置や文字の色を指定する制御コードを送り、端末ソフトはそれに従って文字を並べる。マウスの操作やキー入力は端末ソフトからESP32へ送り返される。パソコンでは端末ソフトが動いているだけで、デスクトップもアプリもすべてESP32の上で動く。

ウィンドウはマウスでドラッグして動かしたり、大きさを変えたり、最小化したりでき、パソコンとの間でコピーと貼り付けもできる。アプリは11種類で、ファイル管理、テキストエディター、コマンドを打ち込むシェル、システムの状態を見るモニター、OTA(無線でのソフトウェア更新)などをそろえた。IoT機器の通信でよく使われるMQTTと、工場の機器などで使われる通信規格Modbusのツールも入っている。ファイルを編集して保存し、そのままシェルでコマンドを打ち込む、といった使い方ができる。

通信量を抑えるため、画面のうち変化した部分だけを送る。中核部分は外部のライブラリに頼らないC言語で書かれており、新しい機器に移植するときに用意する関数は4つで済むという。

対応するのはESP32-C6と、初代ESP32のPSRAM(外付けの作業用メモリー)付きのボードだ。フラッシュメモリーが4MBでPSRAMのない初代ESP32でも動くが、画面は80×25文字に限られ、OTAなどの一部機能は使えない。表示には、UTF-8と色やカーソルの制御、マウス操作の通知に対応した端末ソフトが必要になる。

ソースコードはGitHubでMITライセンスのもと公開している。ChromeかEdgeからファームウェアを書き込み、ブラウザー上の端末で試すこともできる。ビルド済みのファームウェアは、暗号化通信の部品にGPLv3のライブラリを含むため、全体としてGPLv3で配布される。同氏は、さまざまなボードや端末ソフトで試した結果の報告を求めている。

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