体積の約60%を3Dプリントした小型ジェットエンジン「TJ150」の試験完了

Pratt & Whitneyが2026年7月20日、英国のファンボロー国際航空ショーで、体積のうち約60%を3Dプリントで作った小型ジェットエンジン「TJ150」の実証試験を完了したと発表した。3Dプリント、つまり金属を1層ずつ積み上げて造形する積層造形で、静止部品だけでなく回転部品を含む主要な部分を作り、実際の運転環境で問題なく動くことを確かめた。

TJ150は、推力約667N(150ポンド)の小型ターボジェットエンジンだ。何度も使うのではなく、数分から数時間の任務で1回使い切ることを前提とした「使い捨て型」で、自律型の機体や兵器の動力に使われる。同社は、巡航ミサイルや自律兵器の需要が高まる中で、こうした使い捨てエンジンを速く大量に作る手法として、積層造形に力を入れている。

積層造形の利点は、部品の点数を大きく減らせる点にある。従来は多くの部品を別々に作って組み合わせていたが、3Dプリントなら複雑な形状を一体で造形できる。Pratt & Whitneyはこれまでに、エンジンの高温にさらされる部分(ホットセクション)にあった50以上の個別部品を、ごく少数の積層造形部品にまとめた。部品数が減れば、組み立ての手間や調達の時間を削れる。

回転部品の3Dプリントにも取り組んできた。同社は2025年6月17日、高速で回るタービンホイールを3Dプリントで作って試験に成功したと発表していた。回転部品は高い遠心力と熱にさらされるため、静止部品より造形の難度が高い。今回の実証試験に使ったTJ150は、こうした部品統合と回転部品の成果を組み合わせた構成だという。

軍用エンジン部門を率いるJill Albertelli氏は、設計を単純にして生産を速く増やせることが、使い捨てエンジンでは欠かせないと述べる。同社は、TJ150で得た知見を、別のエンジン系列「Valox」など他のプログラムにも生かすとしている。使い捨てを前提とするエンジンで、設計から量産までの速さをどう高めるかという課題に対し、積層造形をその答えの1つと位置づけている。

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