米パデュー大学、アナフィラキシーを検知し自動で注射するウェアラブル機器を開発中

米パデュー大学は10月14日(現地時間)、重いアレルギー反応のアナフィラキシーを検知し、治療薬のアドレナリン(エピネフリン)を自動で注射するウェアラブル機器の開発状況を発表した。電気・コンピューター工学部のMuhammad Hussain教授が率いるチームが開発を進めており、同大学は特許を出願している。

Hussain氏は、アナフィラキシーを起こした人は、反応に気付けない、注射器を見つけられないといった理由で、間に合うように薬を打てないことがあると説明する。チームは、この発症から注射までの時間を縮めることを狙う。

この機器は、複数の生体信号を同時に測る。同大学は、1つの信号だけでは判断に足りないためだとしている。どのセンサーを使うかは公表していない。AIが着用者の平常時の状態を学び、本当の緊急事態と、普段の揺らぎや誤った警報とを見分ける。AIは、クラウドに頼らず機器の中で判断を下す。確信度が十分に高まると、本人と周囲の人に知らせ、安全のための条件を満たせば注射を始める仕組みだという。

開発は、部品ごとに試す段階にある。チームは、微細な流路を使う方式とばねを使う方式の注射機構、消費電力の少ない部品、暗号化した通信を試した。センサー、信号処理の回路、AI、電源管理、注射機構を1つにまとめた試作機はまだなく、それが次の大きな課題だと同大学は説明する。同大学の技術移転組織、Purdue Research Foundationのライセンス紹介ページは、9段階で技術の成熟度を示す指標(TRL)を2としている。同じページによると、機器には曲げられるCMOS電子回路と微細な流路の技術を使い、市販の部品で組み替えやすい設計にする。用途には、緊急時の治療のほか、学校での子どものアレルギー管理や遠隔医療を挙げている。

同大学によると、今後は信頼性を確かめ、誤検知と見逃しの割合を記録したうえで、規制当局の承認と臨床での検証に進む道筋を決める必要がある。

特許は、2025年1月24日に米国で仮出願され、その後、同大学の技術移転部門が本出願(非仮出願)を済ませた。同大学は、開発や製品化に関心を持つ企業からの連絡を受け付けている。研究成果の論文は、発表の時点で公表されていない。

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