ラボの超高速レーザーをマッチ棒大のチップに、原子時計などに応用へ

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スイスのEPFL(スイス連邦工科大学ローザンヌ校)のTobias Kippenberg氏らの研究チームが、これまで実験台を占有していた超高速レーザーを、1枚の小さな光チップに集積したと発表した。卓上の装置に並ぶ性能を持つ集積型の超高速レーザーは初めてで、成果は2026年6月3日、学術誌Natureに掲載された。

超高速レーザーは、100兆分の1秒ほどのごく短い光のパルスを出すレーザーだ。精密な加工や目の手術、極めて正確な原子時計を支える光の技術など、幅広く使われる。ただ、20年以上の研究にもかかわらず、装置は大きく高価なままで、実験台の上に据え付ける必要があった。

今回のチップは、1パルスあたり1.05ナノジュールのエネルギーを、最短147フェムト秒(1フェムト秒は1000兆分の1秒)のパルスで出す。光ファイバーを使うレーザーに匹敵し、これまでの集積型の光源を100倍以上上回るという。長さ42cmの共振器を、マッチの先ほどの大きさに折りたたんで収めた。

鍵は、これまで見過ごされてきた「マムイシェフ発振器」という構成だ。光の通り道(導波路)の前後に、それぞれ別の色の範囲だけを通す2つのフィルターを置く。強い光のパルスが通ると色の幅が広がり、両方のフィルターを通り抜けて回り続ける。弱い光は広がらず、はじかれる。この仕組みは、光チップ上で光が狭い場所に押し込められる状況に向くという。材料には、エルビウムを加えた窒化ケイ素のチップを使い、作りにくい部品を必要としない。

光チップはコンピューターのチップと同じように、ウエハー1枚から1000個以上をまとめて作れる。研究チームは、安価で持ち運べる超高速レーザーが、汚染物質の検出や欠陥の発見、医療診断、小型の原子時計などに広がる道を開くとみている。

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Long-exposure photo of colorful light trails weaving across a dark night sky over a distant horizon, creating abstract waves.

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