可動部ゼロで泳ぐ3Dプリントのマンタ、浮力と翼の形だけで水中をグライド

モーターも電池も使わずに、水の中を泳ぐおもちゃがある。Armengol13氏が公開した3Dプリント用の「Gliding Manta Ray」は、可動部も電子部品も持たない。水に入れて手を離すと、形と浮力の力だけで、本物のマンタのように滑らかに前へ進む。

仕組みの肝は、翼の形だ。水中で離すと、内部に閉じ込めた空気と浮力で、機体はゆっくり浮き上がろうとする。このとき、マンタの翼のような形が、水の流れを受けて揚力を生む。飛行機の翼を上下さかさまにしたような働きで、浮き上がる力の一部を前へ進む力に変える。製作者の説明によれば、翼がなければ真っ直ぐ上に浮くだけだが、翼があることで、浮上の動きが前へのグライドに変わる。

たとえるなら、水中版の無動力グライダーだ。空気の代わりに水の中を、重力の代わりに浮力で「上向きに滑空する」と考えると分かりやすい。翼の角度を少し変えれば、進む向きや速さも調整できる。

この形そのものは、Armengol13氏の発明ではない。似た形の市販品が以前から存在し、本人も「そのコンセプトを3Dプリントの世界に持ち込んだ」と述べている。工夫したのは、3Dプリントで作りやすく、壊れても直しやすくした点だ。翼は取り外して交換できる設計で、子どもが遊んで割れても、その部分だけ刷り直せる。

印刷の注意点も具体的だ。サポートは不要。材料はPLAかPETGが推奨で、屋外やプールで使うなら、熱で反りにくいPETGが向く。実際にプールで遊んだ人からは、PLAだとコンクリートの上に置いた翼が反ったり、数日でひびが入ったりするという報告も出ている。翼は薄くて印刷が速いため、割れても刷り直しやすい。本体にクリアニスを1〜2度塗ると、耐水性と耐久性が上がる。

製作者は翼を厚くする案も試したが、0.5mmから1mmにすると、しなりが減ってうまく滑空せず、すぐ水面に浮き上がってしまったという。薄さが効くわけだ。設計データは、MakerWorldで無料で公開されている。

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Black, wing-shaped device with a white polka-dot pattern on a wooden surface.

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