
放置すると止まってしまう機器を、手をかけずに動かし続けたい。askvoytek氏は、9年前に買ったまま持て余していた小型の暗号資産マイニング機を、Raspberry Pi 3で自動復旧する仕組みに仕立て直した。ハードは当時のまま、動かし方だけを変えた記録を、自身のブログで公開している。
きっかけは、USBに挿して使う小型のマイニング機「Moonlander 2」を5台買ったことだった。ただ、この機器は放っておけないのが悩みだった。小さなLEDが状態を示すが、当てにならない。動きが止まっても、USBを挿し直すか、ソフトを再起動しないと直らない。当時のaskvoytek氏は手を打てず、結局そのまま放置してしまった。
9年後、氏はハードはそのままに、作り方を変えて挑んだ。組み上げたのは、大きく3つの部品からなる自己回復のシステムだ。
1つ目は、tmuxという道具で作る、消えない作業画面だ。tmuxを使うと、遠隔操作の接続が切れても、その中で動くプログラムは止まらずに動き続ける。マイニングと監視を、この中で走らせ続ける。
2つ目が核心の「見張り役」だ。氏が書いたプログラムが、5台それぞれの状態を絶えず監視し、正常か、動きが鈍いか、停止したか、を判定する。停止と判断すると、人手を介さずに自動でその機器を再起動する。以前は自分が張り付いて挿し直していた作業を、プログラムに肩代わりさせた。
3つ目は、状態を一目で見せるWeb画面だ。氏はPython向けの「Flask」という道具で、ブラウザーから見られる管理画面「Moonlander Control Panel」を作った。5台それぞれの処理速度や状態、その合計を、離れた場所からでも確認できる。
askvoytek氏は、この仕組みの意味をはっきり述べている。これで大きな利益が出るわけではない。要点は、Linuxの基礎や、自動化、可視化、システムの設計を、手を動かして学べることにあるという。放置して止まっていた昔の機材が、学びの題材として生き返った格好だ。

