
壁に埋め込む4インチのタッチパネルを、中身から全部作る。オランダのdotStar Technologiesが、Raspberry Pi Compute Module 4を収めた壁掛けパネル「Wall Panel」の回路図と基板データを、CERN-OHL-W v2で公開している。筐体の3Dデータ、液晶を動かすLinuxカーネルモジュール、動作するシステムイメージまで揃っている。
同社はハーグに拠点を置き、入退室管理、公共交通の運賃収受、IoTの自動化を手がける。NFCの読み取り端末や非接触決済の端末を作っており、製品を全てオープンソースで公開したうえで、自社のストアで完成品も売るという形を取る。「オープンソース優先」「エッジからクラウドまで」を掲げ、カーネルドライバーからMQTTの基盤まで自分たちで書くと説明している。
画面は720×720のIPS液晶で、静電容量式のタッチに対応する。市販のパネルを使っており、4レーンのMIPIで接続する。液晶の制御はST7703、タッチはFT6336Uが担う。
問題はこの液晶がCM4につながらないことだった。同社は別のリポジトリで、この組み合わせ用のカーネルモジュールとデバイスツリーのオーバーレイをGPL-2.0で公開している。パネルを買っても動かせない、という壁を自分で越えて、その結果を出している。
基板にはCM4のほか、外付けのリアルタイムクロック、USB-C端子、USB OTG、40ピンのGPIOヘッダー、microSDスロット、Micro HDMI出力を載せる。壁側から電源とデータを受けるコネクターも持ち、PoE給電の背面板が別に用意されている。
拡張を前提にした設計になっている。リポジトリには自作アドオン用の雛形が入っており、実例としてNFCリーダーのアドオンが公開されている。アンテナの調整用の基板まである。
システムイメージも配っている。Buildrootで作る構成で、液晶、タッチ、リアルタイムクロック、NFCのドライバーを組み込んだものがMITライセンスで公開されている。
想定している用途は、Home Assistantの操作画面、天気や予定の表示、照明やIoT機器の操作、そして組み込み機器の画面である。基板はrev 5まで進んでおり、2026年8月に更新された。同社のストアでは完成品も販売しているが、価格は確認していない。

